不育症について
不育症とは
妊娠の途中で流産や死産になってしまい、出産まで至らないことがしばしばあります。
こういった流産や死産を繰り返してしまう状態のことを、『不育症』といいます。
連続して3回以上流産を繰り返す習慣流産も不育症に含まれます。
妊婦する女性の約2〜5%が、不育症といわれています。
不妊症というのは、望んでいても妊娠が成立しないないことです。
それに対して不育症というのは、なんとか妊娠できたとしても、胎児が育っていかないことです。
不妊治療と不育症
不妊治療に取り組んでいる人には、不育症に悩まされている人が多くいます。
近年では、全体的に結婚をする年齢が上がってきているので、不妊治療を受ける人が増えています。
そのため、不育症になってしまう人も増えているのです。
流産や不育症の確率
妊娠した人が全員出産できるわけではありません。
結果的に全体の約15%の人は、流産や死産になってしまいます。
この15%という確率を使って、連続で流産する確率を計算してみます。
すると、流産が2回続く人は2.25%(15%×15%)となり、3回連続流産は0.34%(15%×15%×15%)となります。
全ての流産が偶然起こっている場合は、この数値が不育症の人の確率となるはずです。
しかし、不育症になる人の割合は2〜5%です。
つまり、何かしらの原因があって、不妊症になってしまうということです。
別の見方をすると、一度流産になった人は、二度目も流産になる確率が他の人より高いといえます。
不育症になってしまう原因
半分近くは原因不明
流産の原因を突き止めることは、とても困難です。
そのため、不育症の原因を探るということも、簡単なことではありません。
厚生労働研究班が公表している不妊症におけるリスク因子の研究結果においても、偶発的流産・リスク因子不明が65.3%もあります。
つまり、半数近くは明らかな異常が見つけられない結果となっています。
不育症の原因として考えられること
原因が特定できないことの多い不育症ですが、検査によってわかることもあります。
原因となる具体的な例を以下に挙げていきます。
- 男性および女性側の染色体異常
- 内分泌(ホルモン)異常
- 子宮形態異常
- 抗リン脂質抗体
- 血液凝固系異常
- ストレス
不育症の検査を受けましょう
検査を受ければわかることもあります
原因として考えられることはいくつかあります。
詳しく検査を受ければ、不育症の原因を突き止めることができるかもしれません。
もしも突き止めることができた場合、不育症を改善できる可能性は十分にあります。
治療費について
不育症は、病気といえるかどうかは微妙なものです。
何かを治すというよりは、予防する意味合いが強いためです。
そのため、保険が利かないことがあります。
しかし、自治体によっては補助金が出るところがあります。
補助金の申請には条件があります。
不育症に悩む人は、一度ご自分の住む自治体に相談してみるといいかもしれません。
まとめ
不育症になる人は、妊婦全体の2〜5%です。
はっきりと不育症の原因をつかめないこともあります。
しかし、検査を受ければ突き止めて、不育症を解消できるかもしれません。
補助金の出る自治体もありますので、積極的に取り組んで不育症を改善していきましょう。