子宮内膜症とは?妊娠への影響、症状、治療法[まとめ決定版]

子宮内膜症は不妊の原因となりえます。
不妊治療で悩んでいる方は、もしかすると子宮内膜症が原因かもしれません。
この記事では、子宮内膜症が妊娠に与える影響、症状、治療法について紹介します。

子宮内膜症とは?

本来は子宮にしかできない子宮内膜が、子宮以外の場所にできてしまう病気です。
子宮内膜の妊娠における役割は、受精卵が着床しやすくなるよう子宮の中をふかふかのベッドのような状態にしておくことです。
子宮内膜症になってしまうと、子宮以外の場所で子宮内膜が増殖してしまうことによって様々な問題を引き起こします。


子宮内膜症と聞くと、いかにも子宮の病気のように思われる方が多いのですが、実際は卵巣、卵管、腹膜、直腸、膀胱など子宮外に子宮膜が増殖してしまう病気なのです。


正常に生殖機能が働いている女性の実に約10%が子宮内膜症を抱えていると言われてます。
不妊治療期間の長い人になると、約30%もの人が子宮内膜症に悩まされているとの報告もあります。

子宮内膜症は若い人に多いって本当?

子宮内膜症は20代〜30代の女性によく見られる病気です。
エストロゲンというホルモンが子宮内膜の増殖を促すのですが、このホルモンの分泌量は若い人の方が多い故に、若い人の方が子宮内膜症の発生率が高くなると考えられています。
閉経を迎えた女性はエストロゲンの分泌が落ち着くことにより子宮内膜症発症率が減少します。

子宮内膜症になる人が増えてきてる?

子宮内膜症となる人が近年増えてきているというデータがあります。
理由として考えられるのが女性のライフスタイルの変化です。
女性の社会進出によって、独身率の上昇、晩婚化といった現象が見られます。


女性は妊娠、授乳期になると子宮内膜の増殖を促すエストロゲンの分泌が抑制されます。
つまり、妊娠には子宮内膜症を治したり予防する効果があるのです。


妊娠する女性自体が少なくなった、初産年齢が高くなったことで子宮内の環境を落ちつかせるきっかけが減り子宮内膜症となる人が増加しました。

子宮内膜が子宮の外で増殖すると、どういった問題があるの?

子宮内膜症は子宮以外のところで子宮内膜が増殖してしまう病気です。
子宮の外にできてしまった子宮内膜も、子宮内と同じ働きをするため月経時になると剝がれ落ち出血してしまいます。
毎月、月経が訪れるたびに出血を繰り返すため周りの組織と癒着を起こしてしまいます。
子宮内膜症が卵管采の周辺で発生してしまうと、卵管で癒着が起こり排卵された卵子を卵管に取り込むことができず、卵子と精子は出会えないことから不妊の原因となります。


子宮内膜症が卵巣にできてしまうと卵巣内に古い血液がどんどん溜まってしまいます。
このような症状をチョコレートのようにドロドロした様子からチョコレート嚢腫と呼びます。

子宮内膜症はどうやって見つけるの?

ある一定の大きさまで子宮内膜症が進行してしまった場合には、内診や超音波検査で確認することが可能です。
ただし、進行がそれほど進んでないケースとなると内診、超音波検査での確認は難しくなるため実際に手術によって開腹する、または腹腔鏡でお腹の中を見てみないと正確な診断はできないとされています。

子宮内膜症の症状

子宮内膜症の発症部位によって痛みを感じる場所、痛みの強さは異なってきます。
子宮内膜症は時間の経過とともに悪化しますので、症状に関しても時間の経過とともに徐々に強く現れてきます。
子宮内膜症の代表的な症状には以下のようなものがあります。

  • 月経痛がいつもと比べひどくなる
  • 月経時の出血量がいつもと比べ多くなる
  • 月経期間中の排便時に痛みを感じる
  • 月経期間中に下痢になる
  • セックスしている最中に痛みを感じる

子宮内膜症の経過進行

子宮内膜症は時間の経過に伴い悪化していきます。
経過段階は大きく以下の4つに分けられます。

第1期

子宮内膜の組織が、子宮以外の卵巣や卵管などの部位に点々と散らばり成長し始める時期です。
この段階では、ほとんど自覚症状はなく痛みも伴わないことから自分で異変に気付くことは難しいとされています。
月経のタイミングで子宮内膜が剥がれ出血した血液が各部位に散らばり溜まってしまい小さな血の塊ができてしまいます。
この小さな血の塊は、青黒いことからブルーベリースポットと呼ばれます。

第2期

月経周期に応じて子宮外にできてしまった子宮内膜が増殖と剥離を繰り返すことによって第1期では小さな血の塊であったものが徐々に大きく拡大していきます。
第2期となると月経時の出血量も多くなり痛みを感じ始めます。

第3期

徐々に大きくなった血の塊が周囲の卵巣であったり、卵管、腹膜など人体の別の部分にくっつき癒着してしまいます。
子宮内膜が卵巣の中にできてしまったケースでは、卵巣の中に血液が溜まってしまいます。
第3期ともなると月経痛は通常と比べかなり大きくなります。
また子宮内膜症ができる部位によってはセックス時に強い痛みを感じます。

第4期

癒着の範囲が拡大してしまい骨盤近くの臓器全体に広がってしまいます。
ひどいケースでは、骨盤周囲以外の肺などにまで広がってしまいます。
第4期ともなると、月経時に限らず強い痛みを感じるようになってしまいます。
子宮内膜症は時間の経過に伴い悪化してしまいますので、月経痛がひどくなってきたり、下腹部に痛みを感じた際には、できるだけ早く病院にいくように心がけておきましょう。

子宮内膜症はどうやって治すの?

子宮内膜症に対する不妊治療方法は大きく以下の3つです。

治療法1:手術

問題に対する直接的な処置となりますので、手術直後であれば不妊の問題を解決することができます。
ただし、子宮内膜症は手術後の再発も頻繁に起こりえる病気ですし、そもそも手術をしたことがきっかけとなり新たな癒着が生まれるケースもありますので慎重な判断が必要となります。
子宮内膜症ができている場所、子宮内膜症の進行度合いに応じて、専門医の助言を仰ぎながら手術を受けるべきかどうか検討されるのが良いでしょう。

治療法2:薬物療法

子宮内膜症の治療薬としては以下のような様々な種類の薬があります。
・GnRHアナログ
・ダナゾール
・ディナゲスト
・低容量ピル


基本的な薬の作用としては、排卵を止めることによって子宮内膜症組織の萎縮を狙います。
薬の服用期間は約半年程度となるケースが多いようです。
高齢女性の場合は、治療中の半年間で妊娠力が落ちてしまうことを考慮した上で薬の服用を検討する必要があります。

治療法3:体外受精

子宮内膜症ができてしまっている場所にもよりますが、体外受精という選択をするカップルが増えてきました。
例えば、卵管に子宮内膜症ができてしまったようなケースであれば、卵子を外に取り出し受精させ、受精卵を再び女性の子宮に戻すことによって卵管を必要とせず妊娠に至ることができます。

まとめ

子宮内膜症ができる場所、癒着の有無・程度によって適切な治療法が異なる点をしっかり覚えておきましょう。
子宮内膜症による不妊に関しては、適切な治療を受けることによって妊娠できる可能性は十分にあると考えられていますので、専門医のアドバイスを参考に不妊治療を進めていきましょう。