卵管障害とは?
卵子と精子の通り道である卵管の問題によって不妊となってしまっている状態のことを指します。
精子は膣内から入り、卵管膨大部で卵子と出会います。
排卵された卵子は、卵管采から卵管に取り込まれ精子と出会います。
出会った精子と卵子は受精卵となり卵管内を移動し子宮にたどり着きます。
つまり卵管は妊娠の各プロセスでの主要な通り道となり、この卵管に問題が生じると当然妊娠の妨げとなってしまうのです。
卵管障害の原因は?
卵管障害をきたす原因は様々ですが、代表的なものは下記のとおりです。
- クラミジアなど感染症による卵管炎や腹膜炎
- 過去お腹まわりを手術したことによる卵管周囲の癒着
- 子宮内膜症による癒着
卵管障害の有無はどうやって調べるの?
卵管障害の有無を調べる検査で代表的なものは以下の三つです。
子宮卵管造影検査
造影剤を子宮腔より注入し、造影剤が卵管を取っていく様子をX線で確認していくという検査になります。
腹腔鏡検査
全身麻酔をかけた上で、おへその近くから内視鏡をさしこんで卵管とその周囲の様子を観察する検査です。
通気・通水検査
空気、液体を卵管に通した際の空気圧、水圧から卵管の通り具合チェックする検査です。
手軽に行うことが可能ですが、その精度は子宮卵管造影検査などと比べると低くなります。
卵管障害になってしまった場合は、どうやって治すの?
卵管のどの部分に障害があるかによって治療法は異なってきます。
卵管の根元から真ん中あたりが閉塞している場合
卵管鏡手術
非常に細いカテーテルを膣から挿入します。
卵管の閉塞してしまっている部分をカテーテルによって押し拡げる手術となります。
手術によって、かなりの頻度で卵管が通るようになりますが、手術後、再び卵管が閉塞してしまうこともあります。
卵管采と呼ばれる先っぽが癒着している場合
卵管采が癒着してしまうと、卵巣から排卵された卵子を卵管に取り込むことができなくなってしまいます。
癒着がひどくなると、卵管采が閉じてしまうことによって、卵管内に水がたまってしまい卵管水腫と呼ばれる病気になるリスクがあります。
腹腔鏡手術
卵管采付近の癒着を手術によって剥がしてしまいます。
卵管鏡手術同様、手術直後は卵管采の癒着問題は解決されますが再度癒着してしまうこともあり、現在では体外受精に夜治療が増えてきています。
卵管障害の直接的な治療は行わないで妊娠を試みる方法
体外受精
体外受精では、卵子を体外に取り出し受精させた受精卵を再び体内に戻し妊娠を試みるものになります。
つまり、卵管そのものを必要としなくなりますので卵管障害の人にとっては非常に有効な治療法となります。
まとめ
卵管が閉塞してしまっていては、漢方治療を行ったり、鍼灸治療を行ったとしても妊娠に至ることはありません。
不妊期間の長い人は、卵管障害のようなクリティカルな不妊の問題を抱えていないか、まずはしっかり病院で検査を受けましょう。