男性不妊のすべてが5分で簡単丸わかり

不妊治療は女性がするものといった固定観念を持っている人が沢山います。
不妊の原因の約半分が男性側にある時点で、不妊は女性だけの問題でないとはっきり言いきれます。この記事では、男性不妊の原因や治療法を不妊治療になじみのない男性にもわかりやすくシンプルに解説します。

男性不妊とは

何故なかなか妊娠しないんだろう?
と悩む多くのカップルのうち、男性側に原因がある割合は約50%と言われています。
そうした事実があるにも関わらず積極的に治療を受けているのは女性だけ、といったカップルが少なくありません。
男性不妊とは、ずばり男性の精液に問題があるがゆえに妊娠に至らない状態をさします。

とにかく精液検査を受けて男性不妊の原因有無を確認しましょう

男性の場合、精液検査を受けることによって不妊の原因に関する多くのことが判明します。
精液検査に関しては、保険適用となると1000円程度で受けることが可能です。
金銭的には比較的手軽に受けられるにも関わらず精液検査が敬遠される理由の多くは、精液を採取して検査することに恥じらいを感じるというものです。
妊娠を望むのであれば、恥じらいも何もありません。
体の異常有無をテストするという意味合いでは尿検査等と変わりのないものになります。
妊娠を望んでいるにも関わらず、1年以上妊娠に至らないということであれば一度精液検査を受けられることを検討しましょう。
不妊治療は女性だけがするものではなく、カップルでするものです。

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精液検査って本当に必要?費用は?どこで精液採取するの?

精液検査でわかる男性不妊の原因ってどういうもの?

男性不妊の原因は簡単に言うと、精液のコンディションが悪いということです。
精液のコンディション大きく以下5つに分けて考えられます。

無精液症

精液が認められない状態

無精子症

精液の中に精子が1個も確認できない状態

奇形精子症

奇形の精子の比率が高い、正常な形態の精子の割合が4%未満の状態

精子無力症

精子の運動率が40%以下、あるいは高速で直進する精子が32%未満の状態

乏精子症

精液1ミリリットル内で確認できる精子が1500万個以下の状態

妊娠が成立するには精液のコンディションは非常に重要となります。
精液のコンディションは、”十分な数”の”健全な形”をした精子が”元気良く動いている”状態をさします。

精液のコンディションが悪くなる3つの要因と治療法

精液検査を行った結果、精液の状態に問題が見られる際ですが、大きく以下3つの要因に分けられます。

  • 造精機能障害
  • 精路通過障害
  • 逆行性射精

精子を作る機能に問題のある「造精機能障害」

健康な男性であれば精巣で精子が作られるわけですが、何かしらの理由でそもそも精子を作ることのできない状態を造精機能障害と言います。
造精機能障害となると、精巣(睾丸)の大きさは小さくなり、FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が高くなります。

何で造精機能障害になるの?

・耳下腺炎性精巣炎
成人後のおたふく風邪のウイルスによって精巣炎を起こしたことが原因となるケースがあります。
精巣炎のダメージの程度にもよりますので、おたふく風邪になった人すべてがなるわけではありません。

・精索静脈瘤
睾丸を包む袋である陰嚢周りの血管が拡張することによって精巣の温度が高くなり、造精機能が妨げられている症状です。

・停留精巣
精巣(睾丸)がお腹の方の上部にとどまり、睾丸を包む袋である陰嚢内に降りてこない症状です。

・染色体異常・遺伝子異常
無精子症や、重度の乏精子症の場合では、染色体や遺伝子に問題があることが疑われます。
採血検査で染色体・遺伝子の異常を検査することも可能です。

・脳下垂体異常
健康な男性であれば、FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)の分泌によって精子が作られます。
ホルモン検査を行った結果、FSH、LHの値が低いということであれば、ホルモン剤による治療で改善が見込めます。

造精機能障害はどうやって妊娠を目指すの?

造精機能障害の治療は大きく以下二つに分けられます。

・精子を正常に作れるように治療する
精子を正常に作れるように治療する方法は以下2通りとなりますが
どちらもなかなか効果が現れないことが多く、非常に難しい治療とされています。
-薬物療法
-精索静脈瘤の手術

・今ある少ない精子を有効活用し妊娠に結びつける
正常な数の精子がいないものの、精子が少しでもいるのであれば妊娠に対して希望が持てます。
一般的に、1ミリリットル内の精子の数が500万個以下となると顕微受精が必要になると言われています。
より深刻な状態である、射精された精液の中に精子がいないケースであったとしても妊娠の可能性は残されています。
精液内に精子がいなかったとしても、精巣内に精子を見つけることができれば精子を取り出し顕微受精を試みることが可能です。

造られた精子を運ぶ通り道に問題のある「精路通過障害」

精子を運ぶ精菅が詰まっていたり、狭くなっていると精子が正常に運ばれず無精子症や乏精子症となります。

よく見られる精路通過障害の原因

  • 精巣上体の炎症による精管の閉塞
  • 生まれつきの精管欠損

精路通過障害の治療法

・顕微鏡手術
閉塞している部分をつなぎ合わせる手術を行います。
こちらの手術を行える病院は日本では多くありません。

・顕微授精
精子を運ぶ精管に問題があったとしても、精巣で正常な精子が作られているのであれば顕微受精によって妊娠を試みることは十分可能です。

造られた精子が正しい方向に射精されない「逆行性射精」

通常、精液は尿道から射出されます。
尿道から射出されず、膀胱側に射出されてしまう症状を逆行性射精と言います。
逆行性射精の人の場合、射精後の尿に精液と精子が混ざって出てきます。

逆行性射精の治療法

自然妊娠は難しいため、尿を採取しその中から精子を抽出する形で人工授精を試みる形となります。

男性の妊娠力の高め方

男性の妊娠力の高め方は、つまるところ精子の質の高め方ということになります。
精子の質を高めるためには以下のポイントをおさえておきましょう。
基本的な生活習慣に3ヶ月ほど気をつけることで、精子の質が向上します。
精子は作り出されてから約70日で射精されます。
3ヶ月程、健康的な生活をおくることで健康的な生活から作り出された精子が出てきます。

食生活の見直し

精子の質を上げるには以下の栄養素を積極的に摂取すると良いとされています。

亜鉛

例)牡蠣、豚肉レバー、ほや、牛肉など

アルギニン

例)干し湯葉、かつお節、高野豆腐、落花生、ごま、大豆など

セレン

例)わかさぎ、かれい、わかめ、金目鯛、玄米、かつお、卵黄など

鉄分

例)豚レバー、鶏レバー、レバーペースト、パセリ、牛肉など

ビタミンE

例)うなぎ、すじこ、いくら、あゆ、いわし、たらこなど

マンガン

例)しょうが、日本茶、しそ、バジル、パイン、しじみ、油揚げなど

定期的な運動

ストレスと精子の質には関係があるとされています。
定期的に運動することでストレスを発散し良質な精子を作れる環境を整えましょう。

禁煙

タバコの有害物質は、精子の形態異常の原因となります。
有害物質が体内に入ることで、精巣も悪影響を受けることから喫煙には十分な注意が必要です。

まとめ

不妊原因の約半数を占める男性不妊ですが、女性不妊と比べるとその原因は随分シンプルであり特定しやすいと言えます。
妊娠に結びつける上で、健康な精液を射精できているかいないかは精液検査で簡単にわかります。
仮に精液検査の結果が悪かったとしても、顕微授精の可能性も残されてます。
不妊治療をパートナーである女性に任せっきりになるのではなく、まずは精液検査を受けてみることから始めてみては如何でしょうか。

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