着床障害とは?
妊娠のプロセスですが、簡単に解説すると以下3ステップを経て妊娠となります。
ステップ1:精子と卵子が出会い受精卵となる
ステップ2:受精卵が卵管の中を移動して子宮にたどり着く
ステップ3:子宮に辿り着いた受精卵は、子宮内膜に潜り込み繋がれる
ステップ3のことを着床と言います。
せっかく受精卵が子宮まで到着したとしても、着床できなければ妊娠には至りません。
何かしらの原因で受精した受精卵が着床に至らないことを着床障害と言います。
着床障害の原因は?
着床障害が起こりうる原因ですが、大きく身体の物理的な問題とホルモンの問題に分けられます。
身体の物理的な着床障害
子宮腔に子宮筋腫がある
子宮腔に子宮筋腫が突き出すような形でできてしまっていると着床を妨げる原因となります。
超音波検査をすることで子宮筋腫の問題有無は確認可能です。
・対処法
問題が見つかった際には、子宮鏡手術によって病変を切除します。
子宮内膜にポリープがある
子宮内膜にイボのような形をしたポリープがあると、大きさ、位置によっては着床障害の原因となります。
子宮筋腫同様、超音波検査によってポリープの有無は確認できます。
・対処法
こちらも子宮鏡手術によって病変を切除することによって着床障害の原因取り除くことが可能です。
子宮の形に異常が見られる
先天的に子宮の形に問題がある子宮奇形となると、着床が困難となるケースもあります。
・対処法
子宮の形が仮に独特な形をしていても妊娠に支障がなければいいのですが、場合によっては手術によって子宮の形を変える必要性もあります。
子宮内膜が薄くなってしまっている
流産や、中絶を繰り返すことによって、子宮内膜が薄くなってしまうことがあります。
子宮内膜の厚さが6ミリ以下になってしまうと着床が難しくなります。
・対処法
残念ながら、薄くなってしまった子宮内膜に対しては現在有効な治療法がありません。
ホルモン異常による着床障害
子宮内膜は、黄体ホルモンの作用によって着床しやすい状態となります。
この黄体ホルモンの働きが弱いと、せっかく受精卵が子宮に辿り着いたとしても、着床が難しくなってしまいます。
このような症状を「黄体機能不全」と言います。
黄体期中期に血液検査を行うことによって、黄体ホルモンの分泌に問題がないかは確認できます。
排卵日から次の生理までの日数が10日以下と短い人は、黄体機能不全の疑いがありますので一度検査を受けられてみると良いでしょう。
・対処法
黄体機能不全の治療法は、黄体ホルモンの飲み薬を服用、または注射による黄体ホルモンの投与となります。
まとめ
着床障害があると、せっかく受精にいたった受精卵も成長することができません。
高い費用をかけて体外受精を繰り返しても、肝心の着床に問題があると妊娠にはつながりません。
着床障害も原因次第では、十分に治療可能な症状となりますので、専門医の指示を仰ぎながら適切な不妊治療を行っていきましょう。