流産と不育症
出産はめでたい話ばかりではない
妊娠を望む人にとっては、流産についての話は縁起でもないことでしょう。
本来出産というものは、おめでたいことです。
しかし、出産には、死と隣合わせという厳しい現実もあります。
妊婦や赤ちゃんの生命に関わるような、緊急で重要な決断を迫られることもしばしばです。
特に医師にとっては、人の命を扱うだけに重い責任が伴います。
流産とは
妊娠22週未満で生まれた場合は、流産とされています。
22週未満というのは、21週と6日目までのことです。
なぜ22週未満かというと、この期間で出てくる赤ちゃんはその後を生きる力がないためです。
余談ではありますが、人工中絶が認められているのもこの期間です。
流産は、連続になると習慣流産といわれます。
不妊治療に取り組んでいる人の中には、妊娠はできても胎児が育たずに流産になってしまう不育症に悩まされている人も多いです。
早産における低出生体重児
早産とは
22週以降から37週未満で生まれた場合、早産といいます。
妊娠期間が少ないため、ほとんどの赤ちゃんが普通よりも小さい状態で生まれてきます。
低出生体重児とは
以前は、体重が2500g未満の赤ちゃんを未熟児と呼んでいました。
今では、低出生体重児といわれます。
さらに1500g未満の子を極低出生体重児、1000g未満の子を超低出生体重児と呼びます。
妊娠期間が34週未満の場合、NICU(新生児集中治療室)といわれる設備が必要になってきます。
生まれる前に死んでしまう死産
死産とは
死産に妊娠の期間は関係ありません。
赤ちゃんがお母さんのお腹から出てくる前に、死んでしまうことを死産といいます。
状況はさまざまで、死んだ胎児が娩出される場合のことです。
分娩直前や分娩中に胎児が死亡した場合も死産に含まれます。
受精はするのに育たない不育症
不育症とは
不育症とは流産や死産を繰り返してしまうことです。
卵子と精子が出会って、受精卵になるところまでいきます。
受精卵になって着床したとしても、その後うまく育ちません。
不妊治療を受けている人の中には、不育症に悩まされている人が多いです。
最近では、高齢出産が増えてきたことにより、不育症が増えているということも考えられます。
高齢になればなるほど、染色体の異常が起こる可能性が上がるります。
染色体の異常は、流産に繋がるので不育症になってしまうのです。
まとめ
赤ちゃんが生まれたのが妊娠22週未満を流産とし、22週以降を早産といいます。
22週を境にしているのは、それ以前は赤ちゃんが生きていくことができないからです。
流産を繰り返してしまうことを不育症といいます。
不妊治療に取り組んでいる人の中には、不育症の人が多いです。