化学的流産(ケミカルアボーション)とは
化学的流産(ケミカルアボーション)とは、一時的に妊娠反応が陽性になっても、超音波検査で胎のうが確認できる前に流産してしまうことです。
妊娠検査薬で陽性が出たとしても、数日後に生理が始まります。
多くの場合は、受精卵の染色体異常によるものの可能性が高いです。
流産の約80%は、染色体異常によるものといわれています。
そして、全ての受精卵のうちで、約15%で化学的流産が起こるとされています。
これだけ多くの受精卵で起こっていることなので、稀な現象ではなくよくあることなのです。
化学的流産の経過
受精卵は子宮で着床をして、成長を続けていきます。
通常は、妊娠4週目あたりになると、超音波検査で胎のうを確認できるようになります。
しかし、胎のうを確認する前に発育が止まり、生理のような出血があります。
このように妊娠検査では陽性がでても、生理がくるということが起こるのです。
化学的流産の兆候
生理が通常と違う
生理の時期がいつもと違う、出血量がいつもより多い、レバーの塊のような血が出る、生理痛がいつもより酷いなどがおこります。
腹部の痛みがある
腰や下腹部、または子宮にチクチクする痛みがある場合などがあります。
妊娠初期症状がなくなる
妊娠初期症状は、吐き気や頭痛、匂いや味などの好き嫌いに変化がある、体がだるいなどさまざまです。
そうした妊娠初期症状が現れたにも関わらず、化学的流産により症状がなくなります。
化学的流産はよくあること
不妊治療に取り組んでいる人などは、待望の妊娠にとても喜びます。
一生懸命頑張ってきた人なら、なおさら嬉しいことでしょう。
血液検査をすると、hCGといわれる妊娠時に分泌されるホルモンの値が上昇します。
その段階では、まだ胎のうが出来ていないのでどうなるかわからない状態です。
安心できないと分かっていても、検査の結果には喜びを隠せません。
しかし、hCGは下がっていき、妊娠が成立しないことがあります。
わかっていたことといっても、カップルの落胆はかなり大きいです。
化学流産は確率から判断して、よくあることです。
カップルでいくら頑張っても、どうしようもないことでもあります。
子どもを待ち望む人には難しいですが、一喜一憂せずに、前向きに取り組んでいくことが大切です。
まとめ
妊娠検査で陽性反応が出ても、まだ安心はできません。
胎のうが確認される前に、化学的流産をしてしまうことがあるからです。
化学的流産は染色体異常によるものがほとんどです。
受精卵に問題があるのであって、母体に問題があるわけではないことが多いです。
化学的流産になってしまっても、深く落ち込みすぎないようにしましょう。
残念ながら、よくあることなので、前向きに取り組んでいきましょう。