妊娠へのプロセス
精子と卵子が出会って受精する
女性の体では、ホルモンの作用によって卵巣がはたらきます。
卵巣は、卵胞を育てて排卵したり、子宮内膜を暑くしたりと生殖機能においてとても重要な役割を果たします。
卵子は、卵胞が成熟して排卵されるた後で、卵管采にキャッチされて卵管にきます。
射精されて卵管にたどり着いた精子と卵子が出会って受精すると受精卵になります。
受精卵が子宮で着床する
排卵の周期に合わせて、子宮では子宮内膜がつくられ厚くなります。
子宮内膜が厚くなるのは、着床の準備のためです。
卵管で受精した受精卵は、細胞分裂を繰り返して成長しながら子宮まで運ばれます。
子宮まで運ばれると、子宮で着床をして母体と繋がります。
着床後の受精卵は、成長を続けて約10ヶ月後の出産を待ちます。
妊娠が成立しないと月経が起こる
受精卵が子宮まで運ばれることがない場合や、着床がなかった場合などで、結果的に妊娠が成立しなければ月経になります。
月経は着床に備えて厚くなった子宮内膜が剥がれて、排出されます。
月経により子宮内をリセットして、次の排卵に備えられるのです。
正常な生殖機能がはたらいている女性の体内では、妊娠するまではこのような周期で月経を繰り返しています。
黄体機能不全について
妊娠におけるホルモンのはたらき
卵巣では、卵胞刺激ホルモン(FSH)のはたらきで卵胞が成熟します。
卵胞が成熟すると、黄体化ホルモン(LH)が多く分泌され、LHサージといわれる現象が起きます。
LHサージが起こって少し経つと、卵子が排卵されます。
排卵の後に卵胞が変化したもののことを黄体といいます。
黄体のはたらきとしては、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌があります。
黄体ホルモンは、黄体が黄体化ホルモン(LH)の刺激を受けて分泌されます。
黄体から分泌される黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くさせて受精卵が着床しやすい状態をつくります。
黄体ホルモンは、基礎体温を高く保つはたらきもします。
排卵後の、高温期といわれる時期は黄体ホルモンによって引き起こされています。
黄体機能不全とは
黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が不十分なことで引き起こされるのが黄体機能不全です。
黄体ホルモンが十分でないと、受精卵を子宮内膜に着床させられなかったり、着床したとしても妊娠の状態を維持できなくなってしまいます。
黄体機能不全が妊娠に与える影響
着床率が下がる
黄体機能不全により子宮内膜が薄くなってしまいます。
子宮内膜が薄くなると、着床率が下がることがわかっています。
妊娠の継続が難しい
受精卵が着床後も、黄体ホルモン(プロゲステロン)のはたらきは欠かせません。
黄体ホルモンは、高温期の基礎体温を保って子宮内を妊娠に適した環境にしてくれます。
そうした作用がなくなってしまうので、流産になりやすくなります。
不妊症や不育症の原因になる
上記で述べたような理由によって、黄体機能不全は妊娠を望む人にとってはとても深刻な問題です。
一時的なものではなくこうした状態が続くような場合、不妊症や不育症の原因となり得るため注意が必要です。
まとめ
ホルモンの作用によって、卵胞が育てられ排卵します。
排卵後の卵胞は、黄体となり黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。
黄体機能不全になると、この黄体ホルモンの分泌に異常がでます。
黄体ホルモンの異常は、子宮内膜を薄くしたり、高温期を維持できずに妊娠を妨げる要因となってしまいます。