排卵誘発剤について
排卵誘発剤とは
排卵誘発剤とは、排卵を起こすために使う薬です。
主に無排卵や無月経などの排卵障害のある人が、正常な排卵を促進するように使います。
不妊治療を始めて少し経過し、タイミング法の確率を上げるために利用されたりもします。
排卵誘発剤の種類
排卵誘発剤には大きくわけて2種類あります。
一つ目は、錠剤を服用する内服薬タイプのものです。
内服薬は、とても効果が穏やかで、副作用の心配が少ないです。
クロミッドが代表的な内服薬の排卵誘発剤です。
二つ目は、注射で投薬する注射薬タイプのものです。
効果は高いですが、副作用が出てしまう確率が高くなります。
hMG注射やhCG注射が代表的な注射薬の排卵誘発剤です。
両タイプとも、メリットとデメリットがあります。
検査によってその人の状態を確認して、適した薬を医師が処方してくれます。
一般的には、飲み薬から始めて、効果が薄い場合などに注射薬を使っていきます。
排卵誘発剤を使った時の妊娠率
自然妊娠の妊娠率
自然妊娠での妊娠率は30歳までは30%前後、35歳で20%前後となっています。
よく知られているとおり、女性の年齢が高くなるほど、妊娠率は低下します。
クロミッド服用時の妊娠率
クロミッドは、一般的に使われる内服薬の排卵誘発剤です。
タイミング法の確率を上げるためなどに使われます。
クロミッドを服用した時の妊娠率は、30%前後と言われています。
この数値を見る限り、自然妊娠での妊娠率とあまり変わらない値となっています。
ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)の妊娠率
ゴナドトロピン療法は、クロミッドによる効果を確認できない場合や、人工授精や体外受精で卵子を取り出す場合などに行われる療法です。
ゴナドトロピン療法は、注射薬のhMGとhCGというホルモンを直接投薬します。
まず、生理後3〜5日後から、hMG注射を数日連続で投薬します。
hMG注射によって、卵胞が大きく育ちます。
卵胞が適度な大きさになったら、hCG注射をして排卵を促します。
ゴナドトロピン療法の妊娠率も、約30%となっています。
まとめ
排卵誘発剤は、排卵を促進する薬です。
内服薬と注射薬の2タイプがあります。
内服薬は、効果が緩やかで、副作用もあまり出ません。
注射薬は、直接投薬するので、効果は内服薬よりも高いです。
しかし、副作用が出る可能性が上がってしまいます。
排卵誘発剤を使った場合の妊娠率は、代表的な療法でおおむね30%程度となっています。
排卵誘発剤を使う時は、医師が有効と判断した場合なので、自然妊娠と同じぐらいの数値になっているのではないでしょうか。
排卵誘発剤は副作用がでることもあるので、医師と細かく話し合いをして、適切に使っていきましょう。