不妊治療タイミング指導とは?妊娠の確率など気になることまとめ

不妊治療では、様々な治療法が存在します。
タイミング指導も、数ある不妊治療の一つです。
この記事では、タイミング指導がどのようにして妊娠を目指すのか?どれぐらいの期待を持てるものかなど、タイミング指導に関してみなさんがきになる点を中心にまとめました。

タイミング指導とは?

タイミング指導は、不妊治療の1種ではありますが、あくまで自然に近い状態で妊娠することを目指す方法です。
非常にシンプルにいってしまうと、専門医からの助言を元に、ベストなタイミングでセックスを行い妊娠の可能性を引き上げようといった治療法になります。

妊娠にベストなタイミングっていつ?

排卵日の2日前から1日前が最も妊娠しやすいタイミングと言われています。
意外に知らない人も多いのですが精子の寿命は約3日とされています。
そして、排卵された卵子が受精可能な期間は排卵後およそ24時間以内と言われています。


つまり、精子の寿命が3日であることを考慮すると、排卵日の2日前にセックスをしておけば膣内に射精された精子は排卵されてくる卵子を元気な状態で待ち受けることが可能なのです。

2日前から1日前がベストなのは分かったけど、どうやって肝心な排卵日を特定したらいいの?

超音波検査と尿中のホルモン検査を受けることによって、かなりの確率で排卵日の特定が可能です。

超音波検査

超音波検査を受けることによって卵胞の大きさを測定することができます。
卵胞は毎日1-2ミリずつ成長すると言われています。
直径18-22ミリほどの大きさとなると排卵するとされていますので、検査当日の卵胞の大きさから排卵日が推測できます。

尿中のホルモン検査

LHホルモンというホルモンが排卵日の予測に役立ちます。
LHホルモンは、排卵の20時間〜40時間前になると最高値に到達することで知られています。
尿に含まれるLHホルモンの値を観察し、排卵日を推測します。


超音波検査と尿中のホルモン検査を組み合わせることによって、かなりの確率で排卵日の特定が可能となります。

タイミング指導で排卵誘発剤を使うこともあるって本当?

タイミング指導でなかなか妊娠に至らないケースでは、排卵誘発剤を使用することもあります。
排卵誘発剤を使用することによって通常は一つしか排卵しない卵子を複数個排卵させることができます。
有名なのはクロミフェンと言われる薬を使用し、HMG(ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)をとおして卵巣を刺激します。


卵胞が成熟してきた頃合を見計らい、HCG(ヒト絨毛性腺刺激ホルモン)を注射して複数の卵子の排卵を意図的に起こします。
排卵される卵子の数が増えると当然、妊娠の可能性は高まりますし、多胎妊娠の可能性も同時に高くなります。


多胎妊娠とは、双子、三つ子など赤ちゃんを同時に複数人授かることを指しています。

タイミング指導の成功率はどれくらい?

不妊治療患者のおよそ3割の方は、タイミング指導によって妊娠すると言われています。
また、タイミング指導で妊娠する人の多くは8ヶ月以内で妊娠していることから6ヶ月〜8ヶ月程度タイミング指導を行ったにもかかわらず妊娠に至らない方は、人工授精や体外受精といった次のステップの治療を勧められることが一般的な流れとなっています。

まとめ

タイミング指導に関しては、不妊治療というのも大袈裟な気がするぐらい自然な形で妊娠を目指す治療となっています。
科学的に排卵日をきちんと特定できれば、妊娠の可能性は大きく高められます。
心理的な抵抗もさほど大きくない手法となりますので、不妊でお悩み中のカップルは是非一度検討してみてください。