クロミッドとは?服用による効果とリスク[まとめ決定版]

クロミッドは排卵誘発剤の一種で不妊治療によく用いられます。
クロミッドを使うことよって得られる効果、気になる費用、副作用リスクについて分かりやすくまとめました。

クロミッドとは

クロミッドとは、排卵を促すことができる排卵誘発剤の一種です。錠剤型の薬となります。
不妊の原因の一つに排卵が起きない、または排卵は起きるものの排卵周期が不安定といった問題があります。
排卵機能の問題によって不妊となってしまっている人にとって、クロミッドは効果的な薬となります。
クロミッドのような排卵誘発剤を用いた不妊治療を排卵誘発法と言います。

クロミッドによってなぜ排卵が誘発されるの?

排卵には、卵巣刺激ホルモン、黄体刺激ホルモンといった大きく二つのホルモンの働きが重要になってきます。
クロミッドではこれらのホルモンの分泌を刺激することで排卵を誘発します。
排卵は、まず卵子の素となる卵胞が成熟する必要があります。
十分に成熟した卵胞から卵子が飛び出して排卵が成立します。

卵巣刺激ホルモン

卵子の素となる卵胞を育てる働きのあるホルモンです。
卵巣刺激ホルモンの分泌によって卵胞が成熟します。

黄体刺激ホルモン

成熟した卵胞から卵子を飛び出させる排卵を促す働きがあります。

クロミッドって高いの?どこで買えるの?

クロミッドは保険適用であれば、自己負担額は1ヶ月分で500円〜1000円とお手軽に買い求めることができます。
一般的には、病院で診察を受けた後に処方箋をもらい、薬局でクロミッドを受け取ります。
不妊治療としてクロミッドの服用に踏み切るタイミングは、各病院によって方針が異なります。
排卵機能に問題があるということであれば、問診の際にクロミッドの服用開始タイミングについて病院の先生に相談してみると良いでしょう。

クロミッド服用後から排卵までの日数

生理開始日から数え3日〜5日目頃から5日間程度クロミッドを服用するのが一般的とされています。
服用終了後から、上手くいくとおよそ7日〜10日後に排卵が起きるとされています。
ただしクロミッド服用後から排卵までの日数は、服用する薬の量や各個人の体質の影響もありますので、あくまで目安の日数となります。
より正確に排卵日を特定するためには、市販の排卵検査薬や病院で受ける検査結果を参考とする必要があります。

クロミッド服用後、排卵のタイミングを見極めるコツ

クロミッドを使用することで排卵を促せるわけですが、セックスのタイミングを見誤ってしまっては、せっかく排卵しても妊娠に至ることはありません。
しっかりとした知識を身につけ、排卵日を正確に予測した上でセックスをしましょう。

排卵検査薬を使用

排卵検査薬と聞くと、聞き慣れないこともあり少し抵抗がある人も多いのではないでしょうか。
実際は、通販でも簡単に購入することができ1回あたりの費用も100円程度と気軽に使用することができます。
女性の体は排卵前になると黄体化ホルモンが大量に放出されます。
排卵検査薬では、この黄体化ホルモンの値をチェックすることで排卵日が近づいていることを教えてくれます。

超音波卵胞計測

膣より超音波を発信する器具を挿入し、卵巣内の卵胞サイズから排卵日を予測する方法です。
卵胞のサイズは、排卵の直前になるとおよそ18mm~22mmほどになりますので、検査当日の卵胞のサイズから排卵日を予測することが可能となります。

基礎体温の変化

排卵日が近づくと基礎体温がぐっと下がるとされています。
基礎体温が下がってから数日以内に排卵が起きるとされています。
一方で基礎体温の変化には個人差がありますので、あくまで参考情報として取り扱うと良いでしょう。

排卵痛

こちらも基礎体温同様、個人差の大きなものになるので参考情報となりますが、クロミッドを服用した後にいざ排卵となると痛みを伴うことがあります。
排卵検査薬や病院での検査結果情報とあわせて排卵有無を見極めるようにしましょう。

クロミッドによる胎児への影響は?

クロミッドが不妊治療に効果的とはいえ、気になるのは胎児への影響です。
現在報告されている限りでは、クロミッドを服用することによって先天異常児が生まれやすくなるということはないようです。
クロミッドによって排卵を促すことができる訳ですが、薬の服用から排卵までは7日程度の期間が空くため、その間に薬の成分は体外に排出されます。
つまり、妊娠に至る頃には薬の成分は体内に残っていないため胎児への影響は無いと考えられています。
一方で自然妊娠と比較すると流産になってしまう確率が若干高くなるという説もありますが、クロミッドを服用する人は高齢の人の割合が高いことから、クロミッドが原因で流産につながっているのか、その真偽は定かではありません。

クロミッド服用による副作用と注意点

クロミッドは少量の服用であれば大きな副作用はないとされていますが、服用後違和感を感じることがあれば速やかに専門医に相談するようにしましょう。
クロミッド服用による副作用として代表的なものは以下のとおりです。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

稀に発生する症状ですが、クロミッドの使用にって大量の排卵が行われた結果、卵巣が腫れてしまう症状です。
卵巣が腫れてしまうことによって下腹部に痛みを感じます。
下腹部に違和感を感じた際は、クロミッドの服用をやめ、かかりつけの医師に相談しましょう。

多胎妊娠

クロミッドの使用により人工的に排卵を誘発することで、排卵される卵子の数が2個であったり3個になることがあります。
健康的な女性であれば、通常排卵される卵子は1生理周期において1つだけなのですが、クロミッド使用時には2個~3個になることがあり結果として双子が産まれる可能性が高くなります。
通常のカップルであれば、双子が生まれる確率はおよそ1%とされていますが、クロミッド服用時では、その可能性はおよそ5%となり5倍も高い確率となります。

子宮内膜への負担

クロミッドの服用を続けることによって子宮内膜が薄くなってしまう人がいます。
健康な人の子宮内膜は、排卵後に受精卵が子宮内で着床しやすいよう子宮内をフカフカのベッドのような状態にします。
子宮内膜が薄くなってしまうと、せっかく受精した受精卵が着床しづらくなってしまい不妊の原因となってしまいます。

頸管粘液の減少

頸管粘液は、子宮頸管から分泌される液体です。

頸管粘液には、射精された精子に活力を与える働きがあります。
クロミッドの服用により頸管粘液が減少してしまうと、射精された精子が卵子まで到達できる割合が減ってしまうことから妊娠の確率が下がってしまいます。

体調不良

クロミッドを使用することによってホルモンバランスが変化します。
急なホルモンバランスの変化によって頭痛、腹痛、感情の起伏が激しくなるといった症状を感じる人もいます。
服用後、体調面に変化を感じた際は病院の先生に相談しましょう。

まとめ

排卵機能の問題によって不妊に悩まされている人にとって、クロミッドの服用は非常に効果的な治療法となります。
ただし、せっかくクロミッドを使用して排卵を起こすことができたとしても、肝心の排卵のタイミングを見誤ってしまっては意味がありません。
かかりつけの医師の助言であったり、排卵検査薬を使用することでしっかり排卵日を見極めた上でセックスをしましょう。