不妊治療のステップアップかんたん解説&まとめ

不妊治療では、カップルの状態に応じて徐々に治療をステップアップさせていく方法が一般的とされています。
ステップアップ治療のそれぞれの特徴について分かりやすくまとめました。

不妊治療におけるステップアップとは?

不妊治療では、カップルが特別大きな問題を抱えていない場合は軽度な不妊治療から開始し、様子を見て徐々に治療をステップアップさせていきます。
不妊検査結果次第で治療方法は異なってきますが、一般的には以下のステップで治療が進められていきます。

ステップ1:タイミング指導

特別大きな問題がない場合は、まずはセックスのタイミングを調整することで妊娠を試みます。
治療というと少々大げさな気もしますが、妊娠の可能性が高い日にセックスのタイミングを合わせることは意外に難しいのです。
1回の生理周期において妊娠可能な日は約6日間と言われてます。
最適なタイミングでセックスが出来るよう医師の助言を仰ぐ形の治療法をタイミング指導といいます。
場合によっては、排卵誘発剤などを使用してタイミングを合わせます。

ステップ2:人工授精

タイミング指導を行ったにも関わらず6ヶ月以上妊娠できないようなケースでは、人口授精へのステップアップを検討します。
人工授精という言葉の響きから少し抵抗を持つ人もいますが、実際は夫の精液から元気な精子を集めカテーテルを用い子宮に注入するだけですので、自然妊娠とそんなに大きく変わらない治療法です。

ステップ3:体外授精/胚移植(顕微受精)

人工授精を数回行ったにも関わらず妊娠できなかったケースでは、体外授精へのステップアップを検討します。
体外受精では、まず妻の卵巣から卵子を体外に取り出します。
そして夫の精液から取り出した精子と卵子を培養液の中で受精させできた受精卵を子宮に移植し妊娠を試みる方法です。
人工受精との違いは、排卵→受精→受精卵の子宮への移動、という過程を”体外”で行うことにあります。
人工授精と比較して3倍-4倍と高い妊娠率が期待できます。

ステップ4:顕微受精

高い妊娠率をほこる体外受精を行ったとしても、精子の状態が悪い場合は培養液内で卵子と精子が受精することが困難となります。
そのようなケースでは、ピペットで精子を卵子に直接注入する顕微受精を検討します。
体外受精との違いは、受精のプロセスです。体外受精では、培養液の中で卵子と精子を自然に受精させますが、顕微受精では精子を直接卵子に注入します。
妊娠率に関しては、体外受精と大きく変わりありません。

まとめ

不妊治療の技術は日々進化を続けています。
不妊で悩まれているカップルはまずは、しっかり病院で検査を受けて不妊の原因を特定しましょう。
特別大きな不妊の原因が見当たらないということであれば、タイミング指導から不妊治療を始めてみましょう。
検査結果によっては、最初から体外受精や顕微受精を試みる形となります。