不妊に鍼灸が効くって本当？
鍼灸治療では、自律神経の失調、内分泌異常、血行不良、免疫機能の低下、冷え性などが不妊の主な原因になりえると考えます。
このような原因に対し鍼灸でツボを刺激し、体質を改善することを通して妊娠の可能性を高めることが期待できます。
以下の症状に当てはまる方には、特に鍼灸治療がお勧めです。
- 冷え性
- 月経の高温期が短い
- 妊娠に必要とされるホルモンの分泌が鈍い
- 排卵機能に問題がある
- 着床しても流産してしまう
鍼灸治療が不妊に効果的なことは広く知られていますが、鍼灸治療にも治せない症状があることは覚えておきましょう。
例えば、子宮内にポリープなどがある場合は、専門病院でポリープそのものを除去する必要があります。
鍼灸治療院に通い続けてもなかなか妊娠に至らないようなケースでは、一度しっかり病院で検査を受けてみましょう。
不妊鍼灸治療を受ける際の流れ
多くの鍼灸院は予約制となっていますので事前に予約を入れておきましょう。
鍼灸院によって多少の違いはありますが、一般的にはまず最初にカウンセリングを受けます。
カウンセリングでは、しっかり自分の状態を伝えましょう。
病院ですでに不妊検査を受けているようであれば、検査結果もあわせて伝えるようにしましょう。
カウンセリングの内容に基づき、施術に入ります。
施術時間はおよそ1時間前後となります。
鍼灸院によっては、治療の効果を高めるために独自のトリートメントなどを活用します。
不妊に効くツボってどこにあるの？
不妊鍼灸治療では、不妊に効果的と考えられるツボを刺激し、妊娠しやすい体質へと改善を試みます。
不妊に効果的な代表的なツボとして以下のようなものがあります。
・腎兪(じんゆ)
わき腹に当たる肘の位置と同じ高さの背骨から、左右外側へ指2本分ずらしたところ。
・天柱・風池(てんちゅう・ふうち)
首元の髪の生え際で、首後ろを通っている2本の太いすじの外側にあるくぼみ。
・気海(きかい)
身体の中心線上で、おへそから指幅2本下がったところ。
不妊鍼灸治療って痛くないの？
不妊鍼灸治療は意外にも、全くと言っていいほど痛みを感じることはありません。
見た目はなんだか痛々しい感じがしますが、針の太さはわずか0.2mm程度しかなく、皮膚が痛みを感じるレベルの刺激にはならないのです。
鍼灸院を選ぶ際のポイントは？
不妊治療に対する基本的な知識の有無
不妊治療をうたっている鍼灸院だからといって、情報を鵜呑みにするのは危険です。
自分が抱えている不妊の状態、病院で受けている治療の相談をしてみた際に信頼のおける回答が得られるかしっかりチェックしましょう。
例えば卵子の質を良くしたい、といった具体的な相談を持ちかけた際に、素人にもわかりやすく治療の方針を明快に回答できるかといった確認をする必要があります。
不妊以外の症状への対応可否
鍼灸とは「全人医療」と呼ばれ、人の体を部位ごとに分類して治療するのではなく、その「人」を治療するという考えに基づく治療法です。
従って、不妊で悩んでいる人がめまい、腰痛といった症状を抱えているのであれば、その症状についても対処できて然るべきなのです。
しっかりした不妊治療のできる鍼灸師であれば間違いなく、不妊以外の症状への対応もできるはずです。
不妊以外の治療を受け付けないような鍼灸院は注意した方が良いと言えます。
通院頻度
不妊鍼灸治療は、一般的に週に1-2回受ければ十分な効果が期待できるものです。
週に3回以上の通院を勧めてくるような鍼灸院は商業主義に走っている可能性もありますので気をつけたほうが良いでしょう。
料金
不妊症状に対する一般的な鍼灸治療費の相場は1会の施術あたり5000円〜1万円程度とされています。
2万円を超えてくるような治療院に関しては、割高となるためしっかり理由を確認しましょう。
また、安すぎる治療に関しても同様に注意が必要です。しっかりした技術者による施術が受けられるのか確認したほうが良いでしょう。
医療費控除の際に必要となる領収書の発行有無
医療費控除を申請する際に、まれに領収書の発行を受け付けていない鍼灸院があるため注意が必要です。
まとめ
見た目の痛々しさから敬遠する人も多い不妊鍼灸治療ですが、実際に痛みを感じることはほとんどなく、抱えている不妊症状によっては非常に効果的な治療法となります。
不妊に限らず、体全体のコンディションを健全な状態に導く治療法になるので、興味のある方は一度試しに治療を受けられてみては如何でしょうか。
