不育症について
不育症とは
不育症とは、流産や死産を連続して繰り返してしまう状態のことです。
不育症になる人の割合は、妊娠した女性の約2〜5%といわれています。
妊娠した女性の約15%は、流産になってしまうという結果があります
15%の中には、偶然起きて避けることのない流産というものもあります。
しかし、何度も繰り返すようなら、何かしらの原因がある可能性があります。
不育症の対策
流産の原因を特定することは、とても難しいです。
そのため、不育症の原因を探ることも同じように難しいです。
しかし、原因となっていることがわかれば、対応としては効果的です。
不育症の原因をうまく取り除くことができれば、出産までたどり着く可能性は上がるでしょう。
不育症の原因を検査する
不育症の原因になることを大きく分けると、身体的なものと精神的なものがあります。
検査は、不育症の原因として疑いのあるものを調べます。
以下に詳しく見ていきましょう。
男性および女性側の染色体検査
性別に関係なく、元から染色体に異常がある人がいます。
採血による染色体の検査によって、男性も女性も染色体の異常を確認できます。
カップルのどちらかが染色体異常を持った人の場合、流産の可能性は上がります。
可能性が上がりますが、絶対に妊娠できないわけではありません。
流産の確率は40%程度とされ、通常よりは高くなります。
しかし逆にいえば、60%は妊娠することができるということです。
内分泌(ホルモン)検査
内分泌(ホルモン)検査は、採血によって行います。
ホルモンは体の調整をする役割を担っています。
妊娠においても、とても重要なはたらきをします。
具体的には、黄体機能、プロラクチン、甲状腺ホルモンなどを調べます。
妊娠に適していないホルモンバランスということがわかるかもしれません。
子宮形態検査
内診や超音波検査、超音波断層法検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡検査などで子宮の形を調べます。
形状としては、中隔子宮、弓状子宮、双頚双角子宮、単頚双角子宮などさまざまなものがあります。
子宮の形が胎児にとって良くない場合は、着床しないことがあります。
また、胎児に栄養がいかないため、うまく育たず流産になることもあります。
血液凝固系検査
血液凝固系検査は、採血によって行います。
血液凝固の異常は、胎盤に血栓ができやすくなる異常です。
この検査では、血の固まりやすさを調べます。
抗リン脂質抗体の検査
抗リン脂質抗体の検査は、採血によって行います。
抗リン脂質抗体とは、外から体内に入るウイルスなどから身を守る免疫の一つです。
免疫に異常がある場合、胎児を異物と認識して攻撃してしまうことがあります。
拒絶免疫検査
拒絶免疫検査は、採血によって行います。
半分が男性の組織でできた胎児を、免疫が異物として認識するかを確認します。
本来は、妊娠時に女性の体では、胎児を守るはたらきがあります。
しかし、拒絶免疫に異常があると、異物を排除しようとしてしまいます。
まとめ
流産や死産を繰り返す不育症の原因を突き止めるのは、簡単ではありません。
しかし、その原因がわかれば、大きく不育症を改善できる可能性があるのも確かです。
原因として考えられるものが多いので特定は大変かもしれません。
不育症に悩んでいて、まだ検査を受けていない人は、受けてみてはいかがでしょうか。