不妊の原因を特定しよう
「問題がわかれば、答えは半分わかったと同じだ」 By アインシュタイン
一度不妊の問題さえ特定できれば、不妊治療で何をすべきか筋道を立てることができます。
不妊検査と聞くと馴染みもなく、漠然と不安を覚えられる人が多いかと思いますが、こちらの記事を読むことでそうした不安がなくなれば嬉しいです。
不妊検査はどうやって進めていくの?
不妊検査は、まずはじめに基本的な検査から行います。
基本検査をした結果、特に問題が見当たらないようであれば、タイミング療法で様子を見ていく形になります。
基本検査結果より、何かしら不妊の原因となりうる問題が疑われた際は、精密検査を行います。
基本検査項目
ホルモン検査
-検査方法
血液検査によって妊娠に必要となるホルモン値を測定する。
-検査によってわかること
妊娠に必要となる各種ホルモンの分泌状況に問題ないかを確認する。
排卵障害の原因、黄体機能不全、高プロラクチン血症の有無が判別できる。
超音波検査
-検査方法
超音波の出る棒状の器具を膣内に挿入し、子宮・卵巣の状態をモニターに表示し確認する。
-検査によってわかること
モニターに映し出される画像より、卵巣・子宮内膜ポリープ、多嚢胞性卵巣、子宮筋腫の疑いを確認できる。
また、子宮内膜の厚さの問題有無、排卵日の予測をすることもできる。
子宮卵管造影検査
-検査方法
膣よりカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、x線撮影を行う。
-検査によってわかること
子宮の形の問題有無
卵管の通り具合、癒着・詰まりの有無
子宮粘膜下筋種の有無
卵管通気検査・通水検査
-検査方法
子宮へカテーテルを挿入し、卵管へ二酸化炭素、生理食塩水などを通すことで、卵管の通り具合を確認する。
-検査によってわかること
卵管の通り具合、癒着・詰まりの有無
ヒューナーテスト
-検査方法
セックスをした後に子宮頸管粘液を採取して、顕微鏡で確認する。
-検査によってわかること
精子が問題なく子宮に入っているか
子宮の中に入った精子の状態の問題有無
精密検査項目
子宮鏡検査
-検査方法
基本検査にて子宮腔内に何かしら異常の疑いが見られた際に行われる。
膣から子宮の中へ内視鏡を挿入してモニターに映し状態を確認。
-検査によってわかること
着床の障害原因となる、子宮粘膜下筋腫、子宮奇形、子宮内膜ポリープの有無
腹腔鏡検査
-検査方法
お腹へ2-3箇所穴をあけて、その穴に腹腔鏡を入れて検査を行う
-検査によってわかること
基本的な検査では分からなかったような、卵管や卵巣の状態の確認が可能。
抗精子抗体検査
-検査方法
基本検査であるヒューナーテストで、精子が確認できなかった際に行う。
採血を行い、血中の精子に対する抗体有無を確認する。
-検査によってわかること
精子に対する抗体有無
以上が、不妊検査の基本検査項目、および基本検査項目にて異常が疑われた際の精密検査項目となります。
基本検査項目、精密検査項目とは別に不妊治療成功の鍵を握る排卵日の予測に関する検査もあります。
不妊治療では、排卵日の予測が非常に重要となります。
排卵日に合わせてセックスをすることで妊娠の可能性は高まりますし、人口受精、体外受精を成功させるためにも、排卵の時期を正確に見極めることは重要です。
排卵日を調べる検査
頸管粘液検査
-検査方法
排卵日が近づいてきた頃に、子宮頸管の粘液を注射により採取する。
-検査によってわかること
子宮頸管液の粘度によって、大体の排卵日の予測が可能
尿中/血中LH検査
-検査方法
尿検査および血液検査を行い、排卵日の予測元となる黄体化ホルモンサージ(LH)を採取する。
-検査によってわかること
ホルモンの分泌量から排卵日をかなりの精度で予測することが可能
超音波卵胞径計測
-検査方法
超音波によって卵胞の大きさ、子宮内膜の厚さを測定
-検査によってわかること
卵胞の大きさ、子宮内膜の厚さより排卵日の予測が可能
まとめ
不妊検査にも様々な種類があることがお分かりになっていただけたかと思います。
病院で検査を行う際は、専門医よりしっかりとした説明を受けた上で検査を行いましょう。不妊治療に関しては、医師にすべて任せっきりになるのではなく、自身でしっかりとした知識を身に付けた上で納得のいく治療を選択することが重要です。
どのような検査を受けるのか、なぜ受ける必要があるのかなど、しっかり医師と相談して決めていきましょう。