受精卵になるまで
卵子が排卵される
卵巣では思春期になると、原始卵胞という卵子になる前のものが成熟します。
成熟した原始卵胞は、約1ヶ月に1個ずつ成熟した卵胞になって卵子を排出します。
途中までいくつかの卵胞が育ちますが、最終的に卵子になるのはほとんどの場合で1つです。
排卵された卵子は、卵管采という部分ががうまくキャッチして卵管まできます。
精子が卵子にたどり着く
セックスによって、女性の膣内に精子が射精されます。
膣内に射精された精子は数にして3億個にも上り、膣から子宮やさらにその先にある卵管を目指して泳いでいきます。
精子を観察すると、真っ直ぐ進むものもあれば、おかしな方向に進んでいくものもあります。
そんな中で、正しく進んでいける精子だけが目的地にたどり着けます。
普段は子宮の入り口は、精子が通りにくくなっています。
しかし、排卵の時期に合わせて、頚管粘液というものが出されます。
頚管粘液によって、精子は泳いで進めるのです。
それでも子宮の入り口は難関となっていて、大量の精子が死んでしまいます。
精子が卵管に着くころには、数百個程度になっています。
いくつもの精子が命を落としながら、選別されて卵管までたどり着きます。
受精卵になる
子宮から左右に10cmほど伸びている管が卵管で、膨らんでいる先の方を卵管膨大部といいます。
一番先は、卵子をキャッチするための、卵管采です。
卵管は精子と卵子が出会う場です。
卵子のいるところに一番最初に到着した精子が、卵子の中に入ることができます。
精子と卵子が1つになり、受精卵となります。
精子が入ると、卵子は透明帯といわれる膜が堅くなって、他の精子を入れないようになります。
受精卵が着床するまで
子宮に運ばれる受精卵
受精卵を子宮に運ぶのは2つの動きです。
1つは、下に向かう卵管内の液体の動きです。
もう1つは、卵管の内側にあるせん毛の動きです。
この2つの動きによって、ゆっくりと時間をかけて子宮に運ばれます。
子宮まで運ばれる期間は、4日程度といわれています。
その道中も、受精卵は細胞分裂を繰り返して、常に成長しながら運ばれます。
受精卵は子宮で着床する
子宮は、毎月排卵に合わせて、受精卵を受け入れる準備をします。
子宮内膜が内側にはられて、受精卵にとってのベッドのようなものを整えています。
受精しない場合は、子宮内膜は生理として排出されます。
4日程度かけて子宮までたどり着いた受精卵は、子宮内膜に潜り込みます。
このことを着床といいます。
着床後
着床によって受精卵は母体と繋がり、成長を続けます。
4週目頃には妊娠反応がプラスになります。
5〜6週目には、エコーで見ると子宮の中に黒い袋を確認できます。
この黒い袋は、胎のうという赤ちゃんの袋です。
その後は、雪だるのように頭と胴体がわかるようになります。
人の形にだんだんと近づいていき、40週あたりで出産となります。
まとめ
さまざまな過程を経て、卵管で出会った精子と卵子は、受精卵となります。
受精卵は、卵管から子宮に運ばれます。
そして子宮にたどり着くと、子宮内膜に潜り込んで着床します。
母体と継った受精卵は、胎児となりどんどん大きくなります。
通常お腹の赤ちゃんは、約40週で出産されます。