自然妊娠の妊娠確率
こちらのグラフは、排卵日にセックスした際の年齢別の1回あたり妊娠率です。
30歳までであれば確率に大きな差異は見られません。
一方で35歳となるとその確率は減少し始め、40歳では著しく低い水準となってしまっていることが確認できます。
残酷なようですが、妊娠の確率は女性の年齢に伴って大きく変化すると言わざるをえません。
高齢になるに従い、卵子が老化してしまうことが妊娠率低下の大きな原因とされています。
タイミング指導による妊娠確率
タイミング指導による1回あたりの妊娠確率はおよそ20%とされていますが、自然妊娠同様女性の年齢によって大きく妊娠率が異なるとされています。
加えて、タイミング指導を行っている人は一般の人と比べて妊娠しづらい人達であることから一般の自然妊娠率よりは低くなってしまいます。
人工授精による妊娠確率
人工受精(AIH)による1回あたりの妊娠確率は、およそ7%〜10%程度と言われています。
人工授精に関しても、女性の年齢によって妊娠確率は大きく異なります。
5回〜8回、複数回人工授精を行うことによって、およそ30%のカップルが妊娠に至るとされています。
以下は、2008年にイギリスで実施された調査の結果です。
女性の年齢別人工授精による出産率
35歳以下:15.8%
35-39歳:11.0%
40-42歳:4.7%
43-44歳:1.2%
体外授精による妊娠確率
体外受精による妊娠確率はタイミング指導、人工授精と比べて非常に高くなります。
年齢別のおおよその妊娠確率は以下のとおりです。
25歳:40%
35歳:35%
38歳:30%弱
40歳:20%以下
45歳:約5%
ちなみに体外受精によって生まれてくる子供の割合は、全体のおよそ2%と意外に高い数字になってきています。
男の子、女の子の妊娠確率
男の子と女の子が生まれる割合は多くの人が同じだと思っていますが、 厳密に言うとそれは正しくありません。
2014年に総務省が公開しているデータによると、男の子が生まれる確率は女の子が生まれる確率と比べると僅かに高くなっています。
女の子が生まれる確率を1とした際に男の子が生まれる確率は1.06となります。
ちなみに寿命は女性の方が長いことから、日本人口の割合となると構成比は逆転し女性を1とした際に男性の数は0.95となります。
不妊症になる確率
不妊症という言葉は定着していますが、実はその定義自体ははっきり定まっていません。
一般的には1年、または2年、通常の性生活を送っているものの妊娠に至らない状態を不妊症としています。
通常の性生活を送っているカップルの妊娠率は以下のとおりです。
1年以内に妊娠するカップル:80%
2年以内に妊娠するカップル:90%
つまり不妊症の定義を1年以内に妊娠しないカップルとするならその割合は全体の約2割となります。
2年以内に妊娠しないカップルということであれば、全体の約1割となります。
流産してしまう確率
流産の発生率も、妊娠の発生率同様に年齢の影響を大きく受けます。
高齢になるに従い、流産の確率も上がってしまいます。
以下、年齢別の流産発生率です。
25歳:10%
30歳:10%
35歳:25%
40歳:40%
45歳:50%
また、流産の約80%は妊娠12週未満で発生する早期流産となっています。
子宮外妊娠してしまう確率
子宮外妊娠は、本来子宮の中で着床すべき受精卵が子宮の外、主に卵管部分に着床してしまうことです。
全体妊娠のおよそ1%を占めるとされています。
子宮外妊娠は放置すると卵管破裂など大きな問題を引き起こしますので適切な治療が必要となります。
コンドームをしているのに妊娠してしまう確率
コンドームをしっかり装着していれば確実に避妊できるというのは誤った認識です。
日本産婦人科医会の調査によると、コンドームを装着による避妊は確実とは言い切れず、5.7%の確率で妊娠となるそうです。
コンドームを装着しているにも関わらず妊娠に至る理由は下記のとおりです。
- 製品が不良品で、目では確認できないレベルの小さな穴が空いていた
- 経年劣化により穴が空いていた
- 装着する際に爪などで引っ掻き小さな穴があいてしまっていた
- コンドームが緩かったことによって精液が漏れ出した
- コンドームの表と裏を間違えて装着した
- 性行為後、コンドームを抜く際に精液が漏れてしまった
- 精液を触った手でコンドームを装着した
妊娠の確率が一番高い日っていつ?
妊娠の確率が一番高い日は、排卵日の2日前と排卵日前日の2日間と考えられています。
多くの人が排卵日当日が最も確率の高い日であると勘違いしています。
排卵日当日よりも、排卵日2日前、または排卵日前日のほうが妊娠の確率が高くなる理由には頸管粘液の存在があります。
射精された精子は、女性の頸管から分泌されている頸管粘液の中に一度蓄えられてから卵管へ送り出される仕組みとなっています。
健康な精子の寿命はおよそ3日とされているため、排卵日2日前、または前日に射精された精子は頸管粘液の中で蓄えられ、卵子が排卵されてくるタイミングでもまだ受精可能な状態でスタンバイできています。
肝心の排卵日をいかに突き止めるか?
妊娠の確率が最も高くなる日が分かったところで、肝心の排卵日がわからないといつセックスしていいのかわかりません。
排卵日を特定する方法には大きく以下5つの方法があります。
1:生理周期から排卵日を推測(オギノ式)
生理周期が比較的安定的している人には、とても有効な方法です。
まずは、自分の生理周期から次の生理日を計算します。
計算された次の生理日から14日を引いた日が排卵日だと推測できます。
生理周期は一般的に27日~35日と人によって大きく個人差があるとされていますが、排卵から次の生理まではおよそ14日間と個人差が少ないとされています。
従って生理周期から次の生理日を計算し、14日を引くことで大まかな排卵日が特定できるのです。
2:基礎体温表から排卵日を推測
基礎体温をしっかり計測していると、生理周期の中でガクッと体温が下がる日があります。
その体温が下がった日の前後が排卵日であると推測できます。
3:頸管粘液から排卵日を推測
排卵日が近くなってくると、膣内の頸管粘液の量が増えて、粘りっけが強くなってくるとされています。
定期的に自分で頸管粘液を採取し、指の間で広げてみましょう。
指を広げてみた際に数センチ以上伸びるようになってきたら排卵日が近いサインと言えます。
4:排卵検査薬から排卵日を推測
薬局でも売られている排卵検査薬を使うことで排卵日を推測することができます。
排卵検査薬では、尿中の黄体形成ホルモンの値を計測します。
排卵日が近づくと女性の体の中では、黄体形成ホルモンの分泌量が増えてきます。
一定以上の黄体形成ホルモン値が確認されると、検査結果が陽性となり排卵のタイミングを知らせてくれます。
検査薬は、1回あたり100円程度になりますので気軽に使用可能です。
5:超音波検査から排卵日を推測
病院でしか受けられない検査ですが、最も推測精度の高い手法となります。
超音波検査をすると卵巣の中にある、卵胞の大きさを測ることができます。
排卵が近づくと卵胞の大きさは18ミリ〜-22ミリになるとされていますので、検査をした時の卵胞の大きさを把握することで排卵日の推測ができるようになります。
まとめ
妊娠の気になる確率いかがでしたでしょうか。
ご紹介した確率はあくまで一般的なデータであり、個人差があるということを忘れないでください。
確率はあくまで確率であり、カップルの努力によって妊娠の可能性を高めることは可能です。