妊娠初期症状とは
妊娠初期症状とは、妊娠0週から妊娠14週まで見られる症状のことです。
妊娠週数の数え方ですが、最後に生理が来た日を妊娠0日目と数えます。
つまり、妊娠初期とは最後に生理が来た日から約100日間の期間を指します。
妊娠が成立したタイミング(着床したタイミング)から数えるものと勘違いしている人が多いので注意しましょう。
妊娠初期症状としてあげられる症状数は、実に40を超えてきます。
ただし、個人差が大きく妊娠したすべての人にすべての症状が出るものではありません。
妊娠初期症状が出る要因
お腹の中に命を宿すということは、母体にとってはとても大きな変化となります。
命を育み、出産を無事終えるまでの過程において、女性ホルモンがとても重要な役割を果たします。
妊娠初期症状の多くは、以下二つの要因によって引き起こされます。
・命を育むために必要なホルモンの働き
・お腹の中の赤ちゃんが大きくなることに伴う身体的な変化
妊娠初期症状はいつから出てくるの?
個人差がありますが、早い人であれば妊娠4週頃から出始めます。
生理周期が一般的な人であれば、ちょうど今月は生理が遅れてるのかな?と感じ始める時期です。
一般的なケースでは、妊娠(精子と卵子が出会い受精卵となって着床)となるタイミングが妊娠3週頃となることから、妊娠を受けての母体への変化となると妊娠4週目ぐらいから出てくるというわけです。
一方で、妊娠0週目から妊娠4週目までを”妊娠超初期”といいます。
妊娠が成立した妊娠3週目から4週目にかけての母体への症状を”妊娠超初期症状”というのですが、こちらは通常の生理とも症状が似ていることから妊娠の症状と見分けるのは困難とされています。
妊娠初期症状まとめ
それでは、実際に妊娠初期症状を一つずつ紹介していきます。
くれぐれも、症状の感じ方には個人差があることを前提に読み進めてください。
妊娠初期症状1:腹痛
妊娠した結果、赤ちゃんの成長に備え子宮が大きくなり始めることによって痛みを感じるという妊娠初期症状です。
お腹がチクチク痛む、またはお腹がキューっと痛むということであれば、妊娠の可能性を考えてみてもいいでしょう。
妊娠初期症状2:頭痛
妊娠するとプロゲステロン(黄体化ホルモン)の分泌量が増えます。
プロゲステロンには、血管を拡張する作用があり頭痛を誘発すると考えられています。
あまりに頭痛が激しいということであれば、病院でお薬をもらいましょう。
市販の頭痛薬の服用は、胎児への悪影響となる可能性もありますので注意が必要です。
妊娠初期症状3:体温の高い日が続く
妊娠すると、ホルモンバランスが変化し基礎体温が上昇します。
妊娠20週目頃までは37度前後の高温期が続きます。
37.5度を超えてくるようであれば、妊娠による体温の上昇だけでなく風邪やウイルスへの感染が疑われるため、病院でしっかり検査を受けましょう。
市販の風邪薬の服用は胎児への影響も懸念されることから、病院の先生にまずは相談することにしましょう。
妊娠初期症状4:少量の出血
生理予定日に、1日から数日程度にわたり少量の出血を伴う妊娠初期症状があります。
このような症状は、月経様出血と呼ばれており妊娠によるホルモンの変化が原因と考えられています。
妊娠初期症状5:おりものの状態がいつもと違う
妊娠に至ると、おりものに変化が見られる人が多くいます。
一般的なケースでは、子宮内が活発になることにより、おりものの量が増えると言われています。
また個人差はあるものの、人によってはおりものの色や匂いに変化が見られます。
おりものの状態がいつもと違うようであれば妊娠初期症状の可能性があります。
妊娠初期症状6:胸の張り
生理前の症状とよく似ていることから見落とされがちな妊娠初期症状となります。
通常の生理と同じように、生理約2週間前の排卵のタイミングから胸に張りを感じます。
通常の生理との違いは、張りがより強くなる点と、生理後も胸の張りが続く点にあります。
いつもより張りが強い、または生理が終わったにも関わらず張りが残るケースでは、妊娠の可能性があります。
胸が張る要因は、妊娠したことによって女性ホルモンの働きが活発になるからです。
妊娠初期症状7:寒気
妊娠すると黄体化ホルモンの分泌量が増え、体温が37度前後の高温期状態が維持されます。
体温が上昇することによって、外温との温度差が生じることから寒気を感じます。
妊娠初期症状8:乳首が過敏になる
妊娠によるホルモンバランスの変化から、乳首が通常時と比べヒリヒリと痛んだり、かゆみを感じる女性が多いようです。
ひどくなると下着など衣類が擦れるだけで、強い痛みを感じます。
妊娠初期症状9:吐き気
いわゆる、つわりと呼ばれる症状です。
急に吐き気をもよおしたり、場合によっては実際に吐いてしまいます。
妊娠によってhcg(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌され、脳の中にある嘔吐中枢を刺激するにことにより吐き気をもよおすと考えられています。
妊娠発覚後の吐き気に関しては、ストレスからくる吐き気も報告されています。
出産や育児に対して漠然と不安を感じ、それがストレスとなってつわりを悪化させると考えられています。
ストレスを溜め込みすぎないよう、散歩をしたり趣味に時間を費やしてみると良いでしょう。
妊娠初期症状10:匂いに敏感になる
つわりの一種で、匂いにとても敏感になる妊娠初期症状です。
妊娠4週目頃から出始め、16週頃になくなるといわれています。
もともと嫌いであった匂いは勿論ですが、好きで使っていたハンドクリームや香水の匂いでさえも、気分が悪くなることがあります。
有名な敬遠される匂いに、お米を炊くときの匂いが挙げられます。
妊娠初期症状11:寝汗の量が増える
妊娠を期に、寝汗の量が急激に増えたとの声も多くあります。
妊娠すると体温が通常時よりも高くなるのに加え、プロゲステロンというホルモン分泌量が増え寝汗の量が増えると考えられています。
妊娠初期症状12:疲れを感じやすくなる
妊娠すると、高い体温の状態が維持されます。
体温が高くなるとエネルギー消費が妊娠前と比べて高まることから、疲れを感じやすくなるのも妊娠初期症状の一つです。
妊娠初期症状13:気だるい
妊娠によるホルモンバランスの変化から倦怠感を感じます。
一説によると、赤ちゃんをしっかり成長させるために母親が十分な睡眠を確保する必要があることから、眠くなるよう体内がプログラムされているという話があります。
妊娠初期症状14:強い眠気
妊娠直後に強い眠気を感じる人が多いようです。
いつもは苦にならないちょっとした掃除や洗濯といった家事でさえも、眠気でやる気が起きないほどです。
通常の生理でも眠気を感じるような人では、妊娠初期症状となるとより強い眠気を感じます。
眠気を感じた際は、無理をせずにゆっくり横になって休みましょう。
妊娠初期症状15:目眩(めまい)
クラクラするようなめまいも妊娠初期症状としてよく見られる症状です。
妊娠すると体内の血液が骨盤周りに集中します。
脳への血液供給が通常時と比べて低くなることから、めまいといった症状が出てきます。
症状がひどい人だと立っているだけでも辛さを感じるほどになります。
鉄分を多く含んだ食事を摂るように心がけましょう。
妊娠初期症状16:情緒不安定になる
ホルモンバランスの変化によって情緒不安定となってしまうのも妊娠初期症状です。
妊娠は肉体的にも精神的にも大きな負担を強います。
いつも以上に感情がコントロールできないことは、決して異常なことではありませんので過度に自分を責めることのないようにしましょう。
どうしても気持ちが後ろ向きになってしまうということであれば、カウンセラーに相談してみるのも良いでしょう。
妊娠初期症状17:怒りやすくなる
妊娠をきっかけに分泌が増えるプロゲステロンがここでも悪さをします。
プロゲステロンというホルモンにより、精神的に不安定な状態になりやすくなります。
体内のホルモンの変化に加え、将来の出産、子育てに対する不安から、普段は気にもならないことにも怒りやすくなるケースが多いようです。
妊娠初期症状18:胃痛
妊娠によって、ホルモンバランスが変化することで自律神経が乱れ、交感神経が優位となると胃もたれや消化不良を引き起こします。
逆に副交感神経が優位となる場合には、胃痛や胸焼けといった症状が現れます。
妊娠初期症状19:ゲップが頻繁に出る
妊娠をきっかけにゲップがよく出るという妊娠初期症状を経験する人が一定数います。
ゲップがよく出るのは、妊娠によってプロゲステロンというホルモンが分泌されることによって胃腸の働きが弱まることが原因です。
胃腸が正常に働かなくなることで、食べ物が腸内にとどまる時間が長くなり、溜まったガスが逆流にしゲップとなります。
妊娠初期症状20:食欲が増す
妊娠すると赤ちゃんに十分な栄養を送る必要があるため、妊娠前と比べて食欲が増すのは自然なことです。
人によっては、何か食べ物を食べていないと気持ち悪くなってしまう、食べつわりといった妊娠初期症状が出ます。
妊娠初期症状21:食べ物の好みが変化する
有名な妊娠初期症状の一つで、食べ物の好みの変化があります。
妊娠によるホルモンバランスの変化が原因で、今まで好きだった食べ物が嫌いになったり、その逆で嫌いだった食べ物が好きになったりします。
何となく食の好みが変わったなぁと思うことがあれば、妊娠の可能性を疑ってみてください。
妊娠初期症状22:酸っぱい食べ物を欲する
妊娠をきっかけに酸っぱい食べ物を欲するようになる人が多いようです。
つわりで感じる吐き気を緩和する効果が期待できる、疲労回復効果のあるクエン酸を摂取できることから、体が自然に酸っぱいものを求めると考えられています。
妊娠初期症状23:お酒を欲しなくなる
妊娠によって、お酒の匂いに不快感を感じたり、そもそもお酒が美味しいものと感じられなくなるという妊娠初期症状です。
妊娠はお腹の中の赤ちゃんに悪影響を与えることからも、自然とお酒を遠ざけるような体のつくりになっていると考えられます。
妊娠初期症状24:唾液が増える
多くの人が体感するといわれる代表的な妊娠初期症状です。
唾液の量が増える原因は、妊娠したことによってホルモンバランスが崩れ自律神経が乱れてることにあります。
唾液の量が多くなると、飲み込むのに疲れたり、喉を痛めたりすることがあります。
あまりにも気になる場合は、唾液を飲み込まず吐き出すようにすると良いでしょう。
妊娠初期症状25:汗をたくさんかく
妊娠すると基礎体温が高くなるので、基本的に汗をかきやすくなります。
特に胸周りは、母乳を作るための乳腺が発達し血液のめぐりもよくなることから、汗をかきやすくなります。
妊娠初期症状26:喉が渇きやすくなる
妊娠すると頻尿になったり、つわりで吐いてしまうことによって、体内の水分が外に出ていきがちです。
失った水分を補給する必要があることから、喉が乾きやすくなります。
妊娠初期症状27:鼻水がたくさん出る
妊娠によってプロゲステロンというホルモンが活発になり、自律神経を乱します。
自律神経が乱れることによって、鼻の粘膜が過敏な状態となり鼻水がたくさん出てしまいます。
また、妊娠により免疫力が低下することも鼻水の出が多くなることの一因と考えられています。
妊娠初期症状28:おならがよく出る
妊娠をきっかけにホルモンバランスが変化し、自律神経が乱れることで様々な妊娠初期症状を引き起こします。
自律神経の乱れによって、腸の働きが不安定となりおならが出やすくなることも妊娠初期症状のうちの一つです。
妊娠初期症状29:頻尿
妊娠に伴い子宮が大きくなるにつれて、膀胱が圧迫され始めます。
膀胱が圧迫されると、尿意をもよおす頻度がいつもと比べ多くなります。
夜中に何度もトイレに行かなければならず、胎児への影響を心配する人もいますが胎児への影響は特にないとされています。
また、尿意を我慢することによって膀胱炎になってしまう人もいます。
膀胱炎になると、頻尿といった症状にとどまらず、排尿時の痛みを伴うこともあるため病院での治療が必要となります。
妊娠初期症状30:下痢
妊娠すると、子宮の伸縮を抑制する必要があることからプロゲステロンというホルモンが分泌されます。
プロゲステロンにより子宮の伸縮が抑えられる一方で、連動して腸の働きにも影響が出てしまいます。
腸の正常な働きに支障をきたすために、結果としてお腹を下してしまうというのも妊娠初期症状となります。
妊娠初期症状31:便秘
妊婦さんの多くが便秘に悩まされています。
便秘になってしまう人の割合は、2割程度と言われています。
つわりなどで食欲が低下し十分な食物繊維が取れていないことが原因の一つとして考えられます。
食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類のタイプに分けることができます。
便が硬くなりがちな人は水溶性の食物繊維を多く含むりんご、人参、海藻類をとると良いでしょう。
便が下痢気味の人は不溶性の食物繊維を多く含む大豆、芋類、きのこ類をとると良いとされています。
また、食生活以外の要因として運動不足による便秘も考えられますのでウォーキングなど軽度の運動を取り入れてみるのも良いでしょう。
妊娠初期症状32:肌荒れ・ニキビ
肌荒れやニキビも妊娠初期症状の一つです。
・ホルモンバランスの乱れ
・赤ちゃんへの栄養供給
・食べつわり
・ストレス
などが、肌荒れやニキビの原因と考えられています。
ビタミン、ミネラルを意識的に摂取したり、石鹸や化粧品を敏感肌用のものに変えてみると良いでしょう。
妊娠初期症状33:喉が痛い
あまり有名な妊娠初期症状ではないのですが、妊娠を機に喉に痛みやかゆみを感じる人が一定数います。
喉が痛いだけなら風邪の可能性が高いですが、他の妊娠初期症状にも幾つかあてはまるものようでしたら、妊娠検査薬でチェックしてみるのも良いでしょう。
妊娠初期症状34:歯の痛み
妊娠によるホルモンバランスの変化から、神経が過敏となり歯の痛みを感じる人が大勢います。
妊娠初期症状の一つであり、妊娠性歯痛と呼ばれています。
妊娠初期症状35:口内炎
妊娠によるホルモンバランスの変化が口内炎として現れるケースも多々報告されています。
普段あまり口内炎ができない人が急に口内炎ができたということであれば、妊娠初期症状の可能性があります。
妊娠初期症状36:脇に痛みを感じる
女性の脇の下には、副乳と呼ばれる乳腺がたくさん通っています。
妊娠により女性ホルモンが活発となると、乳腺が張ってきて脇の下に痛みを感じることがあります。
妊娠初期症状37::腰の痛み
妊娠3ヶ月目あたりから産後まで続く妊娠初期症状です。
腰が痛くなる原因は、リラキシンというホルモンが関係しています。
リラキシンというホルモンは、関節を緩める働きがあります。
赤ちゃんの成長にあわせて母体は関節を緩めることで、赤ちゃんのスペースを確保します。
関節が緩くなった反動で、関節を支えるための筋肉や腱への負担が大きくなり腰痛を引き起こします。
体重が増えることによって、腰痛は悪化してしまうため食べ過ぎには注意しましょう。
妊娠初期症状38:脚の付け根部分の痛み
妊娠した時から、母体は徐々に出産に向けて準備を進めていきます。
お産の際には、赤ちゃんを安全に外に出すために、筋肉や靭帯を柔らかくする必要があります。
具体的にはリラキシンというホルモンによって母親の筋肉や靭帯が柔らかくなります。
筋肉や靭帯が柔らかくなった結果、足の付け根に痛みを感じる人もいるようです。
妊娠初期症状39:むくみ
妊娠によって活発となる黄体化ホルモンによって、むくみやすくなります。
特に、子宮が大きくなることによって下半身が圧迫され、むくみやすくなります。
長時間座りっぱなし、または立ちっぱなしの状態だと、よりむくみやすくなるため適度な運動を心がけましょう。
妊娠初期症状40:貧血
そもそも女性は生理によって貧血状態になりやすいですが、妊娠するとより貧血となる可能性が高くなります。
妊娠中は、胎児への栄養供給の観点から体内を巡っている血液量が増える分、血液の濃度は低くなります。
日々の食事で、ほうれん草、さつまいも、ゴーヤなど鉄分を豊富に含んだ食材の摂取を心がけると良いでしょう。
妊娠初期症状41:痔
妊婦さんの多くが痔に悩まされています。
特にいぼ痔となってしまう人が多いわけですが、考えられる原因は二つあります。
一つ目の原因は、妊婦さんの多くが便秘に悩まされ、排便時に強く踏ん張ることが引き金となるケースです。
二つ目は肛門の血流が悪くなることによって痔と鳴ってしまうケースです。
対策としては、しっかり食物繊維をとって便通を良くすること。
運動や、半身浴を通して血流を良くすることがお勧めです。
妊娠初期症状42:子供が気付く
少し不思議な話ですが、上の子供が妊娠に気づいたと言った体験が多く寄せられています。
子供にしか見えないスピリチュアルな世界ということでしょうか。。。
急に甘えてきたり、またを覗いてきたりして不思議だなと思っていたところ妊娠が発覚したという報告が多数あります。
妊娠初期症状43:変わった夢を見る
妊娠初期に、変わった夢を見る妊婦さんが多いようです。
考えられる理由は、妊娠、出産、育児に対する不安が考えられます。
不安が募ってきた際は、家族やパートナーに胸のうちをさらけ出してみると良いでしょう。
不安というのは、漠然とした未知のものに対して抱くものであり、丁寧に自分の気持ちを整理していくことで不安が消えることもあります。
まとめ
妊娠初期症状は、本当に個人差が大きいことに加え、いくつかの症状は通常の生理や風邪の症状と似たようなもので区別が難しいとされています。
こちらでまとめた妊娠初期症状の中の多くが該当するようであれば、妊娠の可能性が高いと言えますので一度妊娠検査薬を使ってチェックしてみると良いでしょう。
また、妊娠によって体調に変化が出ることは一般的なことですので、過度に心配しすぎず自分のペースで妊娠と向き合っていきましょう。