妊娠初期の出血って大丈夫?妊娠初期出血9つの原因と対処法

妊娠初期の出血となると、とても不安になるものです。
妊娠初期に見られる出血には問題の無いものと、問題があるものがあります。
出血があったからといって慌てることなく、冷静に状況判断できるよう正しい知識を事前に身につけておきましょう。

妊娠初期の出血って問題ないの?

正常な妊娠でも約2割~3割のケースにおいて妊娠初期に出血がみられています。
妊娠初期の出血となると、とにかく不安ですし何よりお腹の中の赤ちゃんが気になって仕方がありません。
妊娠初期に見られる出血は、気にしなくてもいい問題の無いものと、病院に行った方が良い注意すべき出血に分けられます。
出血があったからといって過度に慌てることなく、まずは冷静な状況判断を心がけましょう。

妊娠初期の出血・・確認ポイント

問題の有無を判断するためにも、まずは出血の状況を正しく把握しましょう。
妊娠初期に出血がみられた際に確認すべきポイントは以下の通りです。

出血の量

生理の時と比べて出血量が少量ということであれば問題のないことが多いです。
逆に出血量が多いということであれば注意が必要です。

出血の色

生理の終盤に見られる茶色がかった色や、おりものが混ざったようなピンク系の出血に関しては、問題の無いことが多いとされています。
一方で、鮮血に関しては、流産の可能性も疑われる注意すべき出血と言えます。

出血の臭い

臭いが無臭、または生理の時と同じ臭いとうことであれば問題のないことが多いです。
悪臭がするということであれば何かしら病気が疑われます。

腹部の痛み

生理の時の腹痛と比べて、鈍く重い痛みを感じるということであれば注意が必要です。

出血の量が少量で腹部に痛みを感じることが無いようであれば緊急性は高くないと言えます。

逆に出血の量が多く、腹部に強くにぶい痛みがあるようであれば流産など危険な出血の可能性も疑われますので、すぐに病院に連絡してください。

妊娠初期の出血原因

心配のない出血原因

着床出血

受精卵が着床するタイミングで、少量の出血を伴うことがあります。
受精卵が子宮に根を張ろうとする際に、子宮内膜内の血管が傷つき出血に至ることがあります。
着床出血を経験する人は、全体の妊婦さんの約2%程度となり特別胎児への影響も無いことから心配する必要はありません。
特徴としては、出血の量はさほど多く無い点にあります。
通常の生理と比べても出血量は少量となります。
出血は一般的には2日〜3日で止まります。
稀に長い人ですと1週間程度出血が続きます。


着床出血と生理による出血を混同する人が多くいますが、違いを見分けるポイントは基礎体温にあります。
着床出血の場合は、排卵を期に高温期に移行した体温が高温状態を維持します。
一方で、生理による出血となると体温が下がり通常時の体温に落ち着きます。

胎盤が剥がれることによる出血

妊娠初期は、胎児の成長にあわせてどんどん子宮も胎盤も大きくなっていきます。
妊婦さんによっては、子宮と胎盤が大きくなっていくタイミングにちょっとしたズレが生じ、結果として胎盤の一部が剥がれてしまい少量の出血を伴うことがあります。
こちらに関しても、特徴は出血量がさほど多くないことにあります。
特別心配する必要はありません。

絨毛膜下血腫

妊娠の経過が進むにつれて、絨毛が子宮内膜に根を張っていきます。
この根が張られる過程において少量の出血が見られることがあります。
出血は数日から数週間続くこともありますが、妊娠初期にはよく見られるケースとなり、胎盤が完成する4ヶ月~5ヶ月頃には出血も止まります。
こちらの特徴も出血量が少ないことが挙げられます。

産婦人科における内診時のエコーによる出血

妊娠の経過具合の観察として用いられる腹部エコーによって出血を伴うことがあります。
胎児の成長状況をエコーで確認するわけですが、お腹の中の様子が見にくかったりすると少し強めにエコーを押し当てることになります。
この際の刺激によって出血を伴うことがあるのですが、腹部エコー直後の少量の出血ということであれば特に問題はないため心配しなくても大丈夫です。

びらん

子宮腔内がただれてしまうことをびらんと言います。
びらんとなると、セックスによる少しの刺激でも出血を伴います。
大した痛みもなく出血もごくわずかということであれば特に治療の必要もありません。

病院に行くべき気をつけたい出血

切迫流産

切迫流産と聞くとさも流産してしまったかのように聞こえますが、流産の一歩手前の状態を指します。
症状としては、出血の量が多く、お腹に痛みを抱えます。出血の色は茶褐色となることが多いようです。
切迫流産が疑われる際は、病院に連絡をし担当医の指示を仰ぎましょう。
切迫流産と診断された際には、できるだけ安静にしゆっくり体を休めましょう。

流産

出血が生々しかったり、量が多いということであれば流産のリスクがあります。
できるだけ早く病院に連絡をし、的確に状況を伝えた上で指示を仰ぎましょう。
妊娠12週未満といった早い時期に流産は起こりやすく、流産全体の約80%はこの時期に起きてしまいます。
妊娠12週未満の早期流産の原因の多くは受精卵の染色体異常によるものと言われており、特に母体に問題があるわけではありません。
そもそも流産は全妊娠の約15%を占めることから、誰しもにも起こり得る可能性のあるものなのです。

子宮外妊娠

正常な妊娠では、受精卵は子宮内膜に着床し成長していくものです。
何かしらの理由で、受精卵が然るべき子宮以外のところで着床してしまうことを子宮外妊娠といい、全妊娠の約1%をしめます。
子宮外妊娠で最もよく見られるのは、卵管部分に着床してしまうケースです。
受精卵が卵管に着床してしまいそのまま放置すると、卵管破裂を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。卵管破裂となると大量の出血を伴い、命にも関わってくる非常に危険な状態となります。
子宮外妊娠の症状は、最初は少量の出血に始まり、徐々に腹痛を伴うようになります。
出血とともに、お腹に違和感を感じ始めたら一度病院に行き、しっかり見てもらうと良いでしょう。

胞状奇胎

妊娠後、子宮内にぶどうの房のようなつぶつぶが多数発生してしまう病気です。
受精卵の染色体異常によるものと考えられています。
胞状奇胎となると、受精卵が正常な胎児に成長することはありえません。
放置すると症状が悪化し、最悪のケースでは絨毛ガンとなってしまう可能性もあります。
胞状奇胎の症状は、茶色いおりものや、少量の出血が続く、下腹部の痛み、むくみ、高血圧、蛋白尿などが挙げられます。
思い当たる点がある際は、病院で一度見てもらいましょう。

子宮頸管ポリープ

膣と子宮をつないでいる部分を子宮頸管と言います。

子宮頸管部分に粘膜が増殖することによってできてしまう良性の腫瘍を子宮頸管ポリープと言います。
痛みはほとんどないものの、出血が見られることがあります。
ポリープができてしまった場所と大きさによっては、出産に悪影響となることから手術によって除去する必要があります。
出産にさほど悪影響がないと判断されるケースでは、出産するまで経過観察とする場合もあります。

まとめ

妊娠初期に出血が見られること自体は何も特別なことではありません。
きちんと、出血の状態、腹部への痛みを確認した上で、必要に応じて病院に出向くようにしましょう。

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