妊娠初期の出血とその注意点
妊娠初期の出血
妊娠の初期においては、出血が起こることは珍しくはありません。
この時期に起こる出血からは、かなり多くの可能性が考えられます。
ひとつ重要な事実としては、妊娠初期に出血があった多くの人は無事に出産を迎えることができています。
ただ、重大な問題の兆候ということもあり得るため、注意が必要です。
妊娠初期の出血において、出血量が多い場合や痛みがある場合は、できるだけ早急にかかりつけの産婦人科医に相談するべきです。
医師が妊娠初期の出血から判断する際のポイントが、妊娠週数、いつどのように出血が始まったか、痛みはあるか、血の色や量はどうかなどです。
妊娠初期の出血の注意点
生理の予定日近くで出血が起こる場合、生理と勘違いしてしまうことがあります。
妊娠を望んでいる人にとっては、とても残念な気持ちになってしまいます。
しかし、生理だと思っていても、実は妊娠後に起こっている出血ということも考えられます。
よく様子をみて、不明点は医師に確認するなどの対応をしましょう。
また、重大なリスクが原因となって起こっている出血の場合、すぐに対応が必要かもしれません。
一刻も早く医師の判断を仰ぐことが望ましいです。
しっかりとした予備知識を持って対応できるようにしましょう。
下記が出血の原因として考えられることとなっています。
特に問題にはならない妊娠初期の出血
激しい運動
妊娠初期にあまりに激しい運動をすると、まだ安定期に入る前ということもあり出血することがあります。
適度な運動は体にいいとされていますが、妊娠している時は無理しすぎてはいけません。
炎症
膣内や子宮頸部などでは、炎症を起こしてしまうことがあります。
炎症によって、出血も引き起こされます。
着床出血(月経様出血)
着床出血が起こりやすい時期は、排卵日の1週間後あたりからです。
着床出血の正式な医学用語を月経様出血といいます。
約50人に1人にしか起こらない現象です。
絨毛膜下血腫
妊娠5〜20週目において、絨毛膜下血腫は起こりやすいです。
絨毛膜下血腫は、流産になりかけていることを意味する切迫流産の症状の一つです。
血腫というのは血の塊のことで、血腫ができてしまうことによって出血があります。
絨毛膜下血腫になった場合、安静にしていることが大切です。
子宮頸部びらん
びらんとは、ただれている状態のことです。
つまり、子宮頸部びらんとは、子宮の入り口がただれて血が出やすい状態をいいます。
あまりに異常がある場合を除いて、ほとんど治療は必要ありません。
子宮頸管ポリープ
ポリープとは良性の腫瘍のことで、子宮頸管にポリープができて出血が起こることがあります。
炎症や感染症などに繋がる可能性があるため、妊娠中でも取り除く手術を行う場合があります。
重大なリスクによる妊娠初期の出血
早期流産
流産のよく起こる時期は、妊娠3ヶ月未満とされています。
流産を引き起こしているのは、染色体異常が最も多いです。
染色体異常については、誰にでも起こり得る可能性がありますが、防ぐことはできません。
子宮外妊娠(異所性妊娠)
子宮外妊娠の場合、母体の命に関わることがあります。
そのため、妊娠の継続よりも母親の命を救うために、人工中絶になることが多いです。
胞状奇胎
着床した受精卵がつくる絨毛細胞が異常に増殖してしまう疾患が胞状奇胎です。
胎盤などになる細胞が、絨毛細胞といいます。
胞状奇胎では、妊娠の継続はとても難しく、残念ながら赤ちゃんを諦めなければならないことがほとんどです。
まとめ
妊娠の初期に起こる出血は、決して珍しいことではありません。
しかし、時には、重大な病気やリスクの兆候として現れることがあります。
出血を確認した場合、すぐに医師に確認をすることをおすすめします。
特に、出血の量が多い場合や痛みがある場合には、可能な限り早く判断を仰いだほうがいいでしょう。