妊娠初期の出血
妊娠初期に出血があることは、珍しいことではなくよくあることです。
生理とは違う時期に起こったり、妊娠しているはずなのに出血があるため、いきなりだと驚いてしまいます。
しっかりとした予備知識を持って対応できるようにしましょう。
妊娠初期に出血があったとしても、多くの人は無事に出産できています。
人によっては、重大な問題の兆候ということもあり得るため、注意が必要です。
妊娠初期において出血があった場合、出血量が多かったり、痛みがある時は、すぐに専門の医師に相談しましょう。
医師が判断する時にポイントとなるのが、妊娠週数、いつ出血が始まったか、痛みはあるか、血の色や量はどうかなどです。
どのようなものが原因として考えられるのか詳しく見ていきましょう。
あまり問題でない出血
過度な運動
妊娠初期に過度な運動をすると、出血することがあります。
刺激が強すぎるために、出血してしまうのです。
適度な運動はいいですが、妊娠している時は無理しすぎないことが大切です。
炎症
膣内などが炎症を起こすことがあります。
炎症は、出血に繋がることもあるのです。
着床出血(月経様出血)
着床出血が起こりやすい時期は、妊娠3〜4週間です。
医学用語では着床出血を月経様出血といいます。
着床して子宮で受精卵が母体と繋がる時に、出血することが着床出血です。
着床出血の起こる確率は2%程度です。
絨毛膜下血腫
絨毛膜下血腫が起こりやすい時期は、妊娠5〜20週です。
切迫流産の症状の一つとされています。
血腫というのは血の塊のことで、絨毛膜下に血腫ができてしまうと出血があります。
対応は、安静にしていることです。
血腫が大きくなってしまっている場合、入院することもあります。
びらん
びらんとは、ただれている状態のことです。
例えば子宮頚部びらんといえば、病気ではなく子宮頚部がただれていることをいうのです。
びらんの場合、出血が起こりやすいという特徴があります。
ほとんどの場合で、治療は必要ありません。
子宮頸管ポリープ
子宮頚部ポリープでの出血が起こりやすい時期は、妊娠4〜15週間です。
子宮頸部は子宮の入口部分で、ポリープとは良性の腫瘍のことです。
ポリープの大きさは、一般的には2〜3mm程度です。
個人差があり、もっと大きく数cmになることもあります。
炎症や感染症を引き起こしてしまう可能性があるため、妊娠中でも取り除くことがあります。
問題がある出血
流産
流産のよく起こる時期は、妊娠3ヶ月未満です。
この時期に、出血がある場合、まず思い当たるのが流産ではないでしょうか。
流産は、染色体異常によって引き起こされることが最も多いです。
染色体異常については、対応することはできません。
子宮外妊娠(異所性妊娠)
子宮外妊娠での出血が起こりやすい時期は、妊娠4〜11週間です。
ほとんどの子宮外妊娠は、卵管で着床が起こります。
命に関わる危険があるのが、子宮外妊娠です。
残念ですが、赤ちゃんは諦めて人工中絶をするしかありません。
胞状奇胎
胞状奇胎での出血は、妊娠4〜11週間に起こりやすいです。
着床した受精卵は、大きく2つの組織をつくります。
一つ目が胎児になる胎芽細胞で、二つ目が胎盤などになる絨毛細胞です。
胞状奇胎は、絨毛細胞が異常に増えてしまう病気です。
胞状奇胎になってしまったほとんどの場合で、妊娠の継続は困難になります。
まとめ
妊娠初期における出血は、さまざまな可能性が考えられます。
血の量が多い場合や痛みがある場合は、できるだけ早く医師に連絡することをお勧めします。
微量な出血だけの場合は、それほど急ぐ必要はないかもしれませんが、検診の時などに医師に報告はしておいたほうがいいでしょう。