葉酸サプリとは?
葉酸は、ほうれん草などから抽出されるビタミンB群の一種で、補酵素として赤血球を作り出す働きがあります。
葉酸はほうれん草以外にも、モロヘイヤ、枝豆、ブロッコリーなどに含まれていますが、より手軽に摂取したいとの声が多いことから葉酸サプリを販売するメーカーが増えてきました。
なんで妊婦さんは葉酸を摂取しなければいけないの?
赤ちゃんは、お腹の中で成長する際にとても高い頻度で細胞分裂を繰り返します。
細胞分裂の際に葉酸が重要な働きをすることは広く知られており、妊娠時に必要となる葉酸の量は普段のおよそ2倍と言われています。
妊娠中のなかでも特に、妊娠初期である0週目から7週目の期間は細胞分裂期と呼ばれ赤ちゃんの脳であったり、脊髄、内臓などを形成していく非常に重要な時期とされています。
この時期は特に、体内から葉酸が欠乏しないように注意を払う必要があります。
葉酸サプリを選ぶ際の基準は?
葉酸サプリを作っているメーカー
言うまでもく一番重要なのはサプリのメーカーとなります。
サプリは口から直接あなたの体内に入り、あなたの体に少なからず影響をもたらします。
素人目にはサプリはただのカプセルにしか見えないこともあり、良質なサプリかどうかの見極めは困難と言わざるをえません。
少し安いからといって、聞いたこともない信頼のおけないメーカーの葉酸サプリを選択することのないように注意しましょう。
葉酸の種類
葉酸の種類は大きく、食品から抽出された天然由来のものと、合成化学物質から生成された化学物質由来のものに分けられます。
当然、天然由来のものの方が安全に葉酸を摂取できることから優れていると言えます。
合成化学物質由来のものとなると、消化・吸収される過程において内臓に負担がかかってしまいます。
葉酸の含有量
妊婦さんに必要となる葉酸の摂取量をしっかり含んでいるか丁寧に確認しましょう。
妊娠初期と後期では必要となる葉酸量も異なることを考慮しましょう。
放射能検査の実施有無
サプリメーカーによっては、しっかりした検査が行われていないサプリがありますので注意が必要です。
葉酸は、赤ちゃんの細胞分裂時に重要な栄養素となりますので放射能検査が丁寧になされているサプリが望ましいとされています。
添加物の配合有無
基本的に市販されている葉酸サプリは、国の機関が定めた厳格な審査基準を満たしているものになります。
その中でも、添加物の配合割合には各商品によってバラツキがありますので、添加物の配合量ができるだけ少ないものを選ぶと良いでしょう。
ビタミンA過剰摂取に対する配慮
妊娠時のビタミンAの過剰摂取は、お腹の中の赤ちゃんの健康面への悪影響が懸念されます。
ビタミンAの過剰摂取に対する配慮がなされたサプリなのかどうか、購入前に確認してみると良いでしょう。
価格
価格は商品にもよりけりですが、だいたい1日あたり100円前後となるものが多いようです。
安いものですと1日あたり60円程度のものもありますが、それ以上安くなってくるケースは市場相場よりだいぶ安くなりますので、なぜ安いのかしっかり理由を確認する必要があると言えます。
葉酸サプリはいつから飲み始めるべき?
厚生労働省では、妊娠前から妊娠11週目頃までは特に意識して葉酸を摂取するようにアナウンスしています。
この時期はお腹の中の赤ちゃんの細胞分裂も活発となるため、しっかり葉酸を体内に取り込む必要があります。
ポイントとしては、”妊娠前から”の葉酸摂取を推奨しているということです。
妊活を始める1ヶ月前を目安に摂取しはじめることが望ましいとされています。
どれぐらいの量の葉酸を摂取したらいいの?
必要とされる1日あたりの葉酸の摂取量は、妊娠週数によっても異なります。
厚生労働省が必要となる1日あたりの葉酸摂取量を以下のようにまとめていますので参考にすると良いでしょう。
妊活中
1日の推奨摂取量:400μg
子宮内膜を厚くすることをサポートする効果が期待でき、着床率の向上に寄与します。
妊娠0週〜11週
1日の推奨摂取量:400μg
胎児の神経管閉鎖障害、自閉症、流産リスクを低下させる効果が期待できます。
妊娠12週〜15週
1日の推奨摂取量:400μg
自閉症、流産リスクの低下や子宮内胎児発育遅延、貧血の予防効果が期待できます。
妊娠16週〜27週
1日の推奨摂取量:240μg
流産リスクの低下、早産、貧血、妊娠高血圧症候群の予防効果が期待できます。
妊娠28週〜43週
1日の推奨摂取量:240μg
貧血の予防、免疫機能、消化管機能の向上が期待できます。
授乳期
1日の推奨摂取量:100μg
血液の生成をサポートすることを通し母乳分泌の向上、産後の子宮回復効果が期待できます。
葉酸サプリの過剰摂取に注意
栄養素は、どんなものでも過剰摂取すると逆効果になってしまいます。
葉酸の摂取は1日に1000μgまでに抑えるよう推奨されています。
葉酸を過剰摂取することにより葉酸過敏症を引きお起こすリスクがあります。
葉酸過敏症の症状には以下のようなものがあります。
- 発熱
- 蕁麻疹
- かゆみ
- 呼吸障害
葉酸摂取による効果
葉酸には、胎児の先天性奇形の発症率を下げる以外にも以下のような効果があります。
抗うつ効果
葉酸の摂取には、抗うつ効果があることが立証されています。
葉酸には、脳の神経系に働きかけ精神面を落ちつかせたり安定させるといった効果があります。
抗うつ剤を服用している人が、葉酸の摂取も併用して行ったところ、薬の効果が向上したという報告もあります。
また、うつ病患者の食生活には葉酸が不足しがちであることも調査の結果からわかっています。
つわり軽減
妊娠中のつわりの原因の一つに、交感神経と副交感神経のバランスが悪くなることがあげられます。
葉酸には自律神経を整える働きもあるため、つわりの軽減にも効果があるとされています。
その他にも、以下のような様々な効果があります。
- 血液内における赤血球の生成
- 細胞の再生(肌、髪の毛の生成など)
- 老廃物の排出
- 貧血予防
- 動脈硬化対策
葉酸サプリの正しい飲み方
葉酸サプリは、食後に水、または温かいお湯と一緒に飲むと良いとされています。
食後は、消化器官の働きが活発になっていることから吸収率が高くなります。
食後ということでコーヒーやお茶と一緒に摂取している人もいるようですが、カフェインやタンニンが含まれている飲み物と摂取すると葉酸の吸収力が落ちてしまいますので注意が必要です。
まとめ
十分な葉酸の摂取によって、先天性奇形による流産、化学流産、稽留流産のリスクを軽減できます。
たくさんある葉酸サプリの中から、自分に適したサプリを慎重に選択しましょう。
くれぐれも、少しでも安いものといった考え方をするのではなく、お腹の中の赤ちゃんとあなたの健康を第一に考え納得のいく選択ができるようにしましょう。