高齢でも体外受精なら大丈夫?
テレビなどのメディアでもよく取り上げられる体外受精
著名人の妊娠や出産はテレビによく取り上げられます。
最近では、個人の高齢出産や不妊の体験記録のような番組が放送されることもよく見かけます。
著名人の高齢出産を見て可能性を感じる人も多くいるかもしれませんが、あまり安易に考えてはいけません。
大々的に取り上げられると、高齢出産が数多く成功し、誰もが可能かのような印象を持ってしまいます。
しかし、自然妊娠だけでなく、体外受精にも年齢的な限界があります。
実際はどのぐらいの人が体外受精に成功しているの?
意外に思う人もいるかもしれませんが、体外受精で確実に妊娠できるわけではありません。
体外受精を行うには、まず、受精卵を準備しなくてはいけません。
受精卵の準備は、女性からは卵子を、男性からは精子を採取するところから始まります。
採取した精子と卵子を受精させて、適度に育った状態まで進めることが最低条件になります。
最低条件をクリアした上で、体外受精の年代別の妊娠率は下記のとおりです。
30代前半 37.1%
30代後半 30.54%
40代前半 15.78%
40代後半 3.58%
※出典:日本産婦人科学会「2010年生殖補助医療データブック」より
この数値からわかる通り、40代になると大きく妊娠率が下がっています。
30代前半だと4割弱ありますが、40代後半だと30代前半の10分の1以下まで落ち込んでいます。
ここでの確率は、卵子が取れて受精卵が準備できた場合のものです。
実際には、受精卵が準備できない人たちもいます。
そういった人たちを含めれば、もっと多くの望んでも妊娠できない人がいることがわかります。
とある病院での具体例を出します。
その病院は40代後半の人が多く、成功率も高めの病院で、妊娠まで至るのは年間10数人です。
妊娠まででも少ないですが、出産までたどり着けるのが年間数人となっています。
高齢の体外受精だとどうなるの?
50歳を過ぎた出産がテレビなどのメディアで報道されることもあります。
ここまで高齢だと、卵子を他人から提供してもらっていることが予想されます。
まず、高齢の場合は、卵子が取れないことが多いです。
卵子を取り出すためにホルモン投与をしても、卵胞が大きくならなかったり、卵胞が大きくなっても中に卵子が入っていないということになってしまいます。
卵子が取れた場合も、質が良くないことが多いです。
運良く卵子が取れることもありますが、精子を入れてもすぐ死んでしまったり、子宮に戻しても妊娠が成立しないことが多くあります。
まとめ
このように40代で妊娠するのは、かなり難しいことといえます。
時間をとり戻すことはできないので、あとから後悔することのないようにしなくてはいけません。
子供を希望するのであれば、やはり早く手を打つに越したことはないといえます。