出生前診断について
出生前診断とは
出生前診断とは、お腹にいる赤ちゃんに染色体等に異常があるかを調べる検査です。
広い意味では、妊婦の誰もが受けることになる超音波検査も入ります。
ここでは、染色体や遺伝子の異常がないかを調べる検査のこととして出生前診断を扱います。
染色体や遺伝子の検査を行う出生前診断には段階があります。
ますは、リスクのない方法で異常があるかをスクリーニングして確かめる検査です。
スクリーニング結果において異常の疑いがある場合、確定的な検査を受けていくことになります。
確定的な検査を受ける人は、スクリーニングで異常の疑いがある場合など、条件を満たした場合に受けます。
出生前診断を受ける意味
出生前診断には、本来の目的があります。
その目的とは、生まれてくる子が異常を持っている場合に、生まれた後の環境を整えるためです。
異常があるとわかっていれば親としての心構えもでき、専用の設備が整った病院で万一に備えて万全の体制で望むことができます。
しかし、現実としては、異常があると結果が出た人はほとんどが人工中絶を選択するといわれています。
そのため、本来の目的よりも、子どもに染色体異常がある子を産まないための検査といえるかもしれません。
出生前診断を受けるということは、少なからず人の命というかけがえのないものについて考えなければならないということです。
適切な情報を持ち、後悔の少ない決断を下せるようにしていきましょう。
以前からある出生前診断
超音波検査
妊婦の誰もが受ける基本的な超音波検査とは別の検査です。
妊娠11〜13週に行います。
より詳しい状態を確かめたい希望者が受ける超音波検査です。
血清マーカー検査
染色体の異常や開放性神経管奇形などを調べる採血検査です。
妊娠15〜21週に行います。
血中のタンパクやホルモンを調べることにより、染色体の異常を検知します。
絨毛検査・羊水検査
染色体の異常を確定するための検査です。
実施要件を満たした希望者が受けます。
絨毛検査には1%程度、羊水検査には0.3%程度の流産率があります。
新型出生前診断について
新型出生前診断とは
新型出生前診断(NIPT)とは、正式な名前を無侵襲的出生前遺伝学的検査といいます。
近年登場した新しいタイプの採血検査で、まだ限られた病院でしか検査ができません。
染色体の異常を検知することができます。
新型出生前診断の特徴
検査の時期は、妊娠10〜18週に受けます。
染色体異常を99%のかなり高い確率で検知することができます。
費用は20万円程度と高いですが、高い陽性的中率という特徴があります。
また、20ccほどの採血しかしないため、流産などに繋がるリスクはないのもメリットです。
受けられる人
新型出生前診断は、誰でもすぐに検査できるわけではありません。
条件は、下記の場合などです。
- 出産予定日が35歳以上の場合
- 染色体異常を持った子どもを妊娠したことがある場合
- 他の検査などで染色体異常疑いがある場合
- カップルのどちらかもしくは両方が染色体異常を持っている場合
まとめ
出生前診断の中でも、近年登場した新型出生前診断は特に注目されています。
その理由は、高い検査制度に対して、リスクが少ないからです。
受けるためには条件があります。
条件を満たしている場合は、実施している施設を調べてみましょう。