不妊の原因における男女比
最近では認知が進んできたとはいえ、不妊というと女性に原因があって起こっていると思っている人はまだ多くいるのではないでしょうか。
実際のところ不妊原因における男女の比率は、約50%ずつとされています。
男性側にも不妊の原因が見つかることが、半分の確率であります。
男性不妊の原因を調べる精液検査
男性側での不妊の原因となると、たいていは精子に異常が見つかります。
精子の異常というのは、精子が少なかったり、中には精子がないこともあります。
妊娠において、精子の質はとても重要です。
そのため、精子の質を調べるのです。
不妊の原因はよくわからずに対応ができないことが多いです。
精子を調べて問題が見つかれば、不妊を解決できる可能性があります。
そして、女性に比べれば、男性の検査は簡単に受けることができます。
女性だけでなく、男性も一緒に検査を受けた方が良いといえます。
WHOの基準値
2010年のWHO基準にある精液所見の正常値の下限は下記になります。
精液量 :1.5ml
総精子数:39×10の6乗
精子濃度:15×10の6乗/ml
総運動率(前進+非前進):40%
正常精子形態率:4%
この数値を超えている場合、正常な精子ということができます。
精液検査の結果について
結果からわかること
一般的な精液検査は、上記で記したWHOの基準を元に検査を行います。
精子の検査は、一度では正確な値かどうかがわからないため、複数回同じ方法で検査をする必要があります。
その上で、精子の量や濃度、運動率などを確認します。
病院によっては、採精した精子を顕微鏡で見せてもらえることもあるようです。
基準値を満たしていない場合、他の検査も受けることもできます。
医師と相談して、その後の対応を検討していきます。
病気が判明することも
検査の結果によって、病気とわかることもあります。
例えば、精子が少なければ乏精子症といい、精子がまったく見つからない無精子症ということもあります。
男性不妊のほとんどは、乏精子症です。
無精子症と診断されたとしても、精巣から直接精子を取得できる場合、妊娠の望みはあります。
射精した精液の中に精子がなくても、精巣で見つかることがあるのです。
精子は1つでも正常なものがみつかれば、体外受精で受精させることができます。
まとめ
不妊症は、まだまだ女性に原因があると思われがちです。
しかし、男性にも約半数の確率で、不妊症の原因が潜んでいます。
男性側に潜む原因のほとんどは、精子の濃度が低い乏精子症です。
中には、精液中に精子がまったくない無精子症と診断される人もいます。
精液検査で、さまざまなことがわかります。
不妊に悩まされている男性は、ぜひ精液検査を受けてみて下さい。