男性不妊について
男性不妊とは
不妊とは、1年以上の期間に渡って、習慣的に性交渉を持っていても子どもを授かることができない状態のことです。
この不妊の中でも、男性側の原因によって引き起こされる不妊を男性不妊といいます。
不妊での男性不妊の割合
不妊というと、以前は女性の体に問題があるために起こっていると考えられていました。
不妊が身近でない人にとっては、今でも女性側に障害があるために不妊になると考える人も多いです。
しかし、不妊の原因がどちらが抱えているかを性別毎にみる場合、半数ずつであるということがわかってきています。
社会の変化によって不妊治療を行う人が増えてきたことによって、研究が盛んになっています。
そしてだんだんと実際の割合がわかってきたのです。
つまり、男性側にも不妊の原因が十分にあるということです。
男性不妊においては、約90%以上が精子に何かしらの異常があり引き起こされています。
不妊治療に取り掛かるカップルで、男性が非協力的なことがあります。
しかし、このような事実を知れば、二人で力を合わせて取り組むことがとても重要であるといえます。
男性不妊の症状
乏精子症
乏精子症は、精液中の精子の数が基準値に満たずに少ない状態の病気です。
一般的には、1mlに含まれる精子の数が1500万個以上あるのが最低値とされています。
そのため、1500万個に満たないような精子の濃度であれば乏精子症と診断されることがあります。
膣に射精された精子は、卵子に辿り着く前にほとんど死んでしまいます。
そのため、多くの精子がいれば、それだけ妊娠の確率は上がります。
しかし、乏精子症になると不妊になってしまいます。
無精子症
射精ができているにも関わらず、精液中に精子がまったくない状態の病気です。
まったく精子がないので、自然妊娠では妊娠が不可能です。
無精子症の場合でも、精巣から直接精子を採取できることがあります。
精子が1つでも採取できれば、妊娠できる可能性はあります。
精子無力症
精子の中で、動いている精子の割合がとても低い状態の病気です。
WHOの基準値では、精子の総運動率が40%以上、前進運動精子率が32%以上とされています。
精子の数が基準値を超えていても、運動している精子の数が少なければ妊娠率は下がってしまいます。
卵子にたどり着くことが困難になるためです。
ED(勃起不全)
勃起ができないため、射精できない病気です。
性的刺激がうまく伝わらない場合や、陰茎に血液が十分流れ込まない場合などにより勃起ができない状態です。
不妊治療を行う場合、性交渉が結果を出さなければならない仕事のように感じてしまう人などがいます。
そうした心理的なことなどからEDになってしまいます。
まとめ
近年は、晩婚化や妊活の高齢化によって不妊治療を行う人が増えています。
原因の男女の割合は、約半数ずつとなっています。
一般に考えられている、女性に障害があるため不妊になっているという認識は間違っています。
男性に障害があることもとても多いのです。
そのため、二人で不妊治療に取り組むことがとても重要です。