男性不妊について
男性不妊とは
男性不妊とは、その名前の通りで男性側の原因に起因している不妊の状態をいいます。
不妊というのは、女性側に問題があるために子どもができない状態だという認識を持っている人は多いです。
しかし、近年の研究や調査の結果によって、男性側に不妊の原因があることも半数程度はあることがわかってきています。
男性不妊のほとんどが精子の異常によって引き起こされています。
精子を作る機能に問題があることを、造精機能障害といいます。
精子の質について
精子の質をみる際に重要となるのが以下の3つの要因です。
精液検査で確認するのもこれらの項目です。
WHOが指標となる基準値を公表しています。
それぞれ異常がある場合、病気の一種として分類されることもあります。
精子の数
1回の射精においては、約3億ともいわれる数の精子が精液中にあります。
最後に卵子と受精できる精子が1つだとしても、これほど多くの精子が射精されるのです。
卵子にたどり着くまでにほとんどの精子は死んでしまいます。
射精される精子の数が少なくなれば、それだけ妊娠の確率が低くなってしまいます。
精子の運動率
精子の運動率とは、精液中の精子のどの程度の割合のものが動いているかということです。
30%だとすると、全精子中では30%の精子が動いているということです。
多くの精子が射精された場合であっても、精子の運動率が悪いと卵子にたどり着くことができずに妊娠が成立しないということになります。
精子の奇形率
精子の中には、形が異常なものが含まれています。
奇形がある事自体は、特に問題はありません。
しかし、あまりに割合が高い場合は問題となります。
奇形の精子は、妊娠しにくく、妊娠したとしても遺伝子的な異常によりうまく育っていかないと考えられています。
精子には、大きく分けると頭部と尾部があります。
奇形の中でも、頭部がおかしい形をしている場合、妊娠率が低くなるようです。
男性不妊の代表的な症状
乏精子症
乏精子症は、精液中の精子の数が少ない状態です。
基準となる値は、病院によって異なります。
一般的には、1ml中の精子の数は1500万個以上が望ましいとされています。
そのため、1500万個を下回るようであれば乏精子症と診断される可能性が高くなります。
無精子症
精液中に精子がまったくない状態です。
何らかの問題により、射精が起きても精子が含まれていません。
精子無力症
精子の運動率が低い状態です。
WHOの基準値では、精子の総運動率が40%以上、前進運動精子率が32%以上とされています。
ED(勃起不全)
性的刺激がうまく伝わらない、陰茎に血液が十分流れ込まないなどの理由により勃起ができない状態です。
勃起ができなければ、射精ができないので妊娠に繋がりません。
ストレスでも影響を受けることがあります。
精索静脈瘤
精索静脈瘤とは、血液の流れに異常が起きて、精巣の周りに溜まってしまう状態です。
睾丸の温度を上げてしまい、精子の質を悪化させます。
あまり知られていませんが、男性不妊に悩む人の多くが精索静脈瘤による影響があると考えられています。
まとめ
不妊というと女性の問題というのは誤りです。
男性に原因がある男性不妊も半数の割合であります。
男性不妊においては、ほとんどが精子の障害です。
精子の質で重要となるのが、数、運動率、奇形率です。
自分で確認することは難しいため、気になる人は一度病院での検査を受けてみることをお勧めします。